リレーコラム

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2011年記事一覧

花形職業?のコピーライターはそれなりに面白い人生を送っています。
というより、「ものの見方が面白いから、人生を面白く過ごしている。」といった方が正しいかもしれません。そんな、コピー ライター達の日常。
このボードではTCCの会員が、一週間でバトンをタッチして、次々にコラムを連載していきます。

● 書くテーマは何でも結構です。
● 1週間(月~金)1名が書きまくります。ほかのヒトは書けません。
● 週末までに、 当週のスピーカーが翌週のスピーカーを指名します。
↑これは、重要です。これがないと・・、このボードが終わります。
● 指名されたが、なんらかの都合で書けない、書きたくないヒトは沈黙可。
● 何も書かない場合でも指名は可
(指名できない場合は、TCCウェブプロジェクトメンバーが代行します)。
● 月~金曜日を1サイクルとします。

最新のコラム

4452 コピーライターを経験して良かったこと①良いパワハラ望月和人2018.04.23
丸原孝紀くんからバトンを受けた東急エージェンシーの望月と申します。
本日から5日間、よろしくお願い致します。

私は転職を一度もしたことがなく、
新卒で東急エージェンシーに入社してから今までに8つの部署を経験しました。
①営業→②TVスポット→③クリエイティブ→④営業企画→⑤マスメディアプラン→
⑥クロスメディアプラン→⑦デジタルクリエイティブ→⑧統合クリエイティブ、です。

まったく予想もしてなかった異動ばかりでしたので、部署異動するたびに、
絶望的なキモチになったものですが、
結果としては様々な角度から広告ビジネスを見ることが出来て、
本当に良かったと思っています。

特に、現在の様に「デジタル破壊」による
人類史上で最大ではないかと思われる変化の真っただ中にあるなかで、
1つの部署の視点に固執しないというのは非常に重要なことだと思っています。

今は、自分でコピーを書くことはほとんど無いのですが、それでも、
かつて数年間ではありますがコピーライターを経験したことで、
現在も「糧」となっていることを本日から3日間書かせて頂き、
4日目は多くの部署を経験したからこそ感じる
コピーライターが今後直面するであろう課題、
そして、5日目はその課題を解決する方法について
個人的な考えを書かせて頂きたいと思っています。

ここ数年メディアの急激な変化に伴い、
クリエイティブ以外の部署の人たちが企画を考えることが急増しています。
私は現在、統合クリエイティブディレクターという職種をしていることもあり、
マスのクリエイターだけでなく、デジタルプランナーや、SPプランナー、
PRプランナー、メディアプランナー、戦略プランナーや、デジタル解析といった
様々な部署の人たちと一緒に企画を考えることが多いです。

「クリエイティビティを発揮する」という
多くの人々がやりがいを感じる仕事が、
クリエイティブという限られた部署から、
全社的に解放されたこと自体は
私は、とても良いことだと思っています。

そして、新しい企画者たちは、これまでの広告の概念とは違う、
現代を生きる人々に語りかけるためのフィーリングに満ちていますし、
特に20代前半のZ世代と呼ばれる人たちは、デジタルネイティブであり、
非常にユニークな感覚を持っていると感じます。

ですが一方で、こういった新しい企画者たちに、
決定的に欠けているものがある様にも感じるのです。

それは、
「企画者の洗礼」を受けていないことです。

人間というのは、特に若者は、可能性に満ちている一方で
経験が少ないがゆえに自分のことを自分自身で
「狭く限定された自己」で縛りがちです。

しかし「自分では自覚できない自分の良さ」というのは
本人が思う以上に膨大に存在します。

この「自分では自覚できない眠った自分の才能」を掘り起こすためには、
自分の脳の中にあるものを大量に吐き出して、
それを他人の客観的な目にさらされて、
社会的評価と自己評価のギャップを埋めていくという
「修行期間」が必要だと思います。

マスのクリエイティブには「徒弟制」の様な、時に理不尽な
「いいからやれ」的な、現在ならパワハラと呼ばれかねない感じがあります。
500本コピーを書いて、すべてゴミ箱に捨てられるみたいな。

こういう「鼻っ柱をへし折られる」経験を若いうちにつんでおくと、
長い目で見た時に、客観性がついて必ずプラスになる様に思うのです。

しかし、デジタル世代は、こういった理不尽なことを毛嫌いする人も
多い様に感じます。ですが、本当は人間の眠った能力を呼び覚ますには
こういった一見理不尽に見える「洗礼」が有効だったりすると思うのです。

「良いパワハラ」は確実に存在しますし、
「パワハラでしか引き出せない能力」があるのです。
マスのクリエイティブにはこういった良いパワハラがあったのです。

リレーコラムのバトンをつないでくれた丸原くんは、
一緒にやった東急エージェンシーの企業広告のコピーを2000本書きましたが、
TCC新人賞ではノミネート止まりでした。
しかし次の年、雑誌「サイゾー」の仕事では、それを上回る
3000本コピーを書いて新人賞を受賞しました。
受賞したコピーは今見ても、
どれも丸原くんらしくて素晴らしいコピーだと思います。

いつの時代であっても、1万人に1人は天才がいて、
その人は自分の力でどんな状況からも世に出てくると思います。

しかし、企画者の洗礼をしかるべき形で受けた場合、
1万人のうち2000人くらいは、潜在能力を発揮できる気がするのです。

たぶん今後、ますますパワハラ的なことは減っていくと思いますし、
悪いパワハラは本当に無くなるべきだと思います。

しかし、
初期値の高い一握りの天才だけが世に出て、
多くの人は潜在能力を発揮できない歯がゆい社会が来る気もします。

とはいえ、
何が良いパワハラなのかという定義に正解が無いだけに、
一歩間違うと老害的行為にもなりかねないです。

私の場合は、自分への戒めのために現在
「老害」に関する本を書いています。
老害にならない様に注意しながら一緒に仕事をする人の潜在能力を
引き出すサポートがしたいと思っています。

私自身の個人的な感覚は、
デジタル世代の企画者に近い部分が多々あり、
彼らとの仕事はかなり楽しいですし、
意識的に新しい企画者たちとの共同作業が増やしているのですが、
しかし、
自己承認欲求が強い「ほめられ世代」が多い新しい企画者たちに対して、
こういったマスのクリエイティブの感覚を、
今日的なやり方でどう伝えていくかを暗中模索している昨今です。

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