リレーコラムについて

伊藤くん作文

諸橋秀明

僕がはじめて、
「クリエイティブ」を意識したのは
小学校5年生のときでした。

同級生の伊藤佳徳くんの作文。

遠足で乗ったジェットコースターの感想を
したためたものなのですが、
下記のような内容でした。

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『ジェットコースター』伊藤佳徳

それでは、出発しまーす。

ガッ!

ゴトッ…ゴトッ…ゴトッ…

ゴトッゴトッゴトッ、
ゴトゴトゴトゴトゴトゴトゴト…

ガーーーーーーーーーーーーーーーー!!
キャーーーーーーーー!!
ギュギューー!!
ウォーーーーーーーーー!
ガガガーーーーーーー!!
ウォーーー!!
ガガガガガガーーーーーーー
ガガガーーーーーーー
ガガガーーーーーーー

(以下略)

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彼は、ジェットコースターの臨場感を
すべて擬音と悲鳴で表現したんですね。

しかも、コースターが最初の坂を登り切って、
さぁ下るぞ!というあの一瞬の沈黙の描写するのに、
原稿用紙1枚を空白で使ったり…

やられた。完敗だ。

当時、クリエイティブという単語は知りませんでしたが、
「これがクリエイティブなんだな!アイデアなんだな!」
のような感覚を覚え鳥肌が立ったのを鮮明に覚えています。

同時に、僕が必死で書いた
ジェットコースターの乗った様子を描写に終始する作文なんて
ゴミだな、と思いました。

あのとき衝撃を覚えた
伊藤くん作文のようなモノを
考えられるようになりたい、という気持ちが、
今の職業を選んだ理由と言っても過言ではないです。

で、
クリエイティブ職について5年。
あの作文を超えるモノを作れたか、というと
まだまだなんですよね…。

精進します!
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後日談。

実は、この擬音描写作文、
「夢の稗田」の、稗田さんが
九州時代に企画されてACCを獲ってるんですよね。

https://www.youtube.com/watch?v=JEDV_2z-dXE

小5にしてACCレベルの企画を出してた脅威の伊藤くん。
現在は、地元で3児のパパだと風のうわさで聞きました。
今は、そっちのクリエイティブに励んでるんだな。

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一週間ありがとうございました。
来週からは電通西日本の北匡史さんです。

新人賞を獲られた仕事も素晴らしいのですが
僕はなんといっても去年の年鑑に載ってたスナックの求人広告、
「ボトルの中のお酒をおじさんの中へ移すだけの単純作業です。」
が、大好きです。

実は北さんとは、数年前
今はなくなっちゃった1click-awardのファイナリスト仲間で
会ったことあったんですよね。
TCCで再会できでびっくりしました。

では、北さん、よろしくです!!

NO
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