サントリー サントリー角瓶 大和篇 150 N:その朝、ウイスキーと煙草が配られた。
M:BG~
N:新婚4日めに出撃の日を迎えた兵曹は
兵器の調子は完璧です、と報告した。
伝令の少年兵はにこにこしながら
その夜の夜食はお汁粉だとふれてまわった。
艦長は昼食後、紅茶を飲んだ。
12時20分、緊急信号が発令された。
12時32分、雲の切れ間よりグラマン襲来。
SE:重低音のエンジン
N:八度に及ぶ波状攻撃で大和は
M:BG~
N:大和はついに傾斜角度90度に達し
しかし、いまなおその巨体を波間に浮かべていた。
通常の戦艦は傾斜角度30度をもって
沈むものである。
艦長はすでに最終処置を完了、
つきそって離れない4名の見張り員を
しっかりやれと水中に突き落とし
自らは大和と運命を共にした。
SE:海原
N:昭和20年4月7日14時23分
戦艦大和は2000メートルの火柱を吹き上げ
徳之島の北西200浬の地点に沈む。
艦長はじめ3000の兵は
いまなお水深430メートルに眠る。
救助された兵のひとりは
その日飲まずに沈んでいったウイスキーのことを
まだ覚えているそうだ。
あのウイスキーは
サントリー角瓶だった。

NO.7695

広告主 サントリー
受賞 ノミネート
業種 酒類・タバコ
媒体 ラジオCM
コピーライター 中山佐知子
掲載年度 1990年
掲載ページ 31