リレーコラムについて

クライアント側の席

佐藤舞葉

クライアント側の席に座っている。

 

といっても、どこかに就職したわけでも、

代理店側の椅子が足りなかったわけでもない。

 

パートナーとして外部アドバイザーをしている。

 

「今日、プレゼン相手に変な人いませんでした?」

「ああ、あの人、元電通らしいよ」

あれです。

 

そういうわけで、

代理店のひとからプレゼンを受けたりしている。

 

 

こちら側に座ると、また違った景色が見えてくる。

 

 

気づいたことがいくつかある。

 

まず、

「考えてないことはバレている」

ということ。

 

プレゼンする側としては、

コアになる部分は熱っぽくしゃべり、それ以外はさらっと説明する。

 

しかし、聞いている側は「さらっと」のほころびも見逃さない。

というか、そこがいちばん目立つ。

 

プロの校閲者は、ざっと目を通しただけで

間違いの文字がスポットライトをあてたように光り輝いてみえる、

という話を聞いたことがあるが、まさにそれ。

 

 

考えてないところ、とりあえず書いてみたところ、

整合性がとれてないところ、他の企画書のほぼコピペ…

企画書の中でそこだけが浮かび上がってみえる。

 

ときに100ページを超える企画書のすべてに

血を通わせることは並大抵ではないと知っている。

 

だから、いっそのこと自信がないなら潔く何も書かないほうがいいかもしれない。

 

白紙プレゼンだ。

 

 

気づいたことその2。

「メディアがいちばん気になる」

 

企画かメディアか。という話になる。

営業の人にとっては当たり前かもしれないが、

私はD時代にずっとクリエーティブ在籍だったので、

特にギャップを感じた。

 

メディアはめっちゃ大事。

メディアは正義。

 

 

代理店にいた頃、

クリエーティブ企画といっしょにメディアプランをプレゼンすると、

クライアントからメディアについての質問しかなく、

「え、企画については…?」ということがよくあった。

(企画がOKだから質問がなかったのではなく、

後日「やっぱりデジタルじゃなくてイベントの提案をしてほしい」とか言われる)

 

 

また、これもよくある話なのだが

手ごたえを感じた競合に負けて、営業に敗因を聞くと

A社が赤字覚悟で媒体費を下げてきまして…

社としてうちはそれに乗るわけにはいきませんでした…」

と申し訳なさそうな顔をされる。

無理ゲー案件だ。

 

 

強いメディアに勝てる企画って、ほんと一握り。

 

私はクリエーティブという狭い世界にいながらも、

うすうすとそのことに気づいていたが、

それが色濃く確信にかわった。

 

 

 

じゃあどうすればいいんや!

 

 

 

わからん。

 

 

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