美紅ちゃんに勝てない
わたくしごとですが、先日結婚いたしまして、無事に式を挙げることができました。
その披露宴で使うプロフィールム―ビーに、私の生い立ちを友人に紹介してもらうというコーナーがありました。
そこに登場してもらったのが、幼なじみの「美紅ちゃん」です。
コピーを書いているとき、私はふと彼女のことを思い出します。
美紅ちゃんとは小学校一年生からの付き合いで、彼女は今でも地元・京都にいます。
もう20年以上の仲なのに、実は中学〜大学は別々で、
クラスメートだったのは実は小学1・2年生の間だけでした。
活発で、同じ丈のショートカットで、よく喋る。
まるで双子のようだと言われて、ほんとうにそんな風に過ごしてきた私たち。
でも小学校を卒業後、地元の中学でバレーボールに青春を捧げた彼女と、
私立中学を受験して学問にすべてを費やした私はほとんど会うこともなくなり、
高校や大学の思い出も、地下鉄でたまたま会うと長めの立ち話をする程度でした。あと年に一度の祇園祭。
美紅ちゃんはとにかく声が大きくて、楽観的で、2度もアキレス腱を切るおてんばで、
まだ実家を出たこともなくて、進学も就職も適当だったし、
将来について有益な話なんかほとんどしてくれない。
でもよく笑って、友だちが多くて、ポジティブで、優しくて、よくモテて、
自分にないもの全てを持っているような子です。
自分の親にすら「美紅ちゃんみたいな素直な娘がほしかった」なんて言われながら、
真面目に勉強しかしてこなかった私はどんどんひねくれ者になって、すっかり真逆の存在になってしまいました。
今の仕事をしていると、何かを斜めに見ようとしたり、ズラしたりすることに一生懸命になって、
理屈っぽい、打算的なことば選びになりがちです。
そんなとき想像の中の美紅ちゃんは
「そんなんうちには分からへんわー!え、どういうこと〜?!」と言うし、
実際聞いてみてもそう言うわけです。
彼女がムービーで、私との思い出をどう語ってくれたかと言うと
「なにがそんなに面白かったかはおぼえてないけど、あの頃はそれがめちゃくちゃ面白かったんです。」
です。えー!それだけ!?
私のクソつまんない20年をけらけら笑いながら、カラッと振り返ってくれて、
それ以上でも以下でもない気がして、本当に嬉しかった。確かにあの頃はよく笑ってました。
素直さを大事にして、コピーを書きたいな・・・。
本日も読んでいただいた方、ありがとうございます。
磯自慢さんのポスター広告で、今年新人賞をいただきました。
2回目のコラムもどうでもいいことを真面目に書いてしまいました。
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