ある実験
長い間、気になっていたことがあった。男の子は男らしく、と育てられ女の子は女らしく、と育てられそのように育っていくというが、果たしてそうなのか。
多くの女の子はピンクが好きになり、多くの男の子はブルーが好きになる。それは、もしかして、親が小さい頃から与える服やおもちゃの色のせいではないのだろうか。もちろん小学生くらいになると、黒っぽい服装がすきな女子や、青いランドセルを選ぶ女子もいるし、赤やピンクを好む男子もいる。あえて、人とはちがう個性を発揮したいという願望も生まれる。ただそれも、小さいうちは、親の好みを反映していることの方が多いのではないだろうか。長年そんな疑問を持っていた私は、息子が生まれた時、あえて色々な色のものを与えるようにしてみた。ピンクと水色があふれるベビーショップの中から、できるだけ男女どちらとも言えないカラーリングの商品を選んだ。たとえばイエローやグリーンなどのベビー服、青系と赤系の両方が使われた小物、フリルやレースのついた布もの、独特の色彩の玩具も多く買った。
しかし…しかしである。カラフルな布人形やピンクのぬいぐるみ等も与えていたのに、そういったものには一切愛着を示さなかった。唯一気に入ったぬいぐるみは、Mrビーンのくまの編みぐるみで、色はダークブラウンだ。そして、あれほどカラフルな服装を着せていたにもかかわらず、紺色や茶色を好んで着る男子に育っていった。ヨーロッパ出張の折に安かったから買ったドレスシャツは、投げ捨てられて一度も袖を通されなかった。ニュートラルに育てたつもりでも、男の子っぽい色を好んだ。やはり、環境より生まれつきの要因の方が強いのか・・・。
いかに誘導しても、男の子らしさの枠にはまってしまった息子。
その後、東京育ちでも巨人ファンにしない実験も行ってみた。関西出身者としてかなり頑張ってみたはずなのだが、結果は玉砕。
いずれにしても、本人にとっての心地よさを、親が認めることが肝心なのだろうと、ひそかな実験を終えて思った。
今日でTCCリレーコラムは最終回。思いつくままに、好きに書かせていただきました。1週間おつきあいありがとうございました。
バトンは、TCC幹事としてお手本にしたいと思っている方・・・サンアドの大友美有紀さんに託しました。大友さん、ご快諾ありがとうございます。来週からどうぞよろしくお願いします♪
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