やさしい嘘を、
メールでついた。 実家が焼肉屋という環境のためか、接客好きな母のつた子さんに似たのか、
朋恵さんは幼いときから、人と接する仕事をしたいと思って育った。
そして進んだ、美容師の道。新人のころは悩むことも多かったそうだが、
つた子さんから届いた一通のメールが、それを救ってくれたという。
『本当につらかったら仕事辞めてもいいよ!母から???大胆発言!』
つた子さんは当時を振りかえり、「本音は辞めてほしくなかったけど」と笑う。
メールなら、相手と直接向き合っていないからこそ、想いとちがうことも伝えられる。
おかげで肩の力が抜けたという朋恵さんは今、仕事もすこぶる順調。
撮影時もお気に入りの浴衣を着て、つた子さんの髪を自らセットしてあげた。
鏡をのぞき込んだつた子さんは、「これで今日はお店に立ちます」といつになく満足気。
降り注ぐ日ざしに負けないぐらい、晴れやかな笑顔が二つ並んだ。
家?族
イエ・ラブ・ゾク