企業/ファミチキ先輩ドキュメンタリー篇 339秒 SE:
目覚まし時計の音
M:
♪~ (大盛況)
ファミチキ先輩:
歳は29で、みんなからは
ファミチキ先輩と呼ばれています。
S:
ファミチキ先輩
母:
ちょっと違うルックスなものですから、
みんなは嫌うかもしれないけど、
これが特徴になっていくんだと。
みんなが一緒の方がおかしいわけだもんね?
S:
ファミチキ先輩の母
ファミチキ先輩:
えーと、あのペッパーかけているんです。
香りが全然違うんで。
母:
帰る時電話ちょうだいよ。
ファミチキ先輩:
ちゃんと電話するよ いってきまーす
S:ファミチキ先輩ドキュメンタリー
ファミチキ先輩:
だいたい週5でバイトしてるんで、バスに乗り、
地下鉄に乗り、サウナ、マッサージ、バイト。
終わって、またそれで帰ってくる感じですかね。
なんで、バスかといわれると、
まあちょっと、免許もってないんで。
まあ、苦じゃないと言えば嘘になりますけどね。
やっぱ風圧にも弱いし、
もうクッチャクッチャにされますからね。
でも、そういうのに耐えるのもなんか
仕事のうちかななんて、
最近ちょっと思えるようになってきましたね。
なんか。はい。
あ、そう。ここ。バイト前には必ずですかね。
この辺じゃわりと安いんですよ。
ファミチキ先輩:
ほらほら!!
店員:
いらっしゃいませ。
ファミチキ先輩:
あ、どうも
ファミチキ先輩:
えっと、結構お若い方…いるんですかね?
店員:
お若い方も、います。
ファミチキ先輩:
も、います?ちなみに、今日は、どうなんですかね?
店員:
今日は、年季の入った方でございます。
ファミチキ先輩:
ははは、まあいいや。マッサージお願い致します!
熊田さん:
本日、マッサージを担当させていただきます
熊田と申します。宜しくお願い致します。
ファミチキ先輩:
宜しくお願いします。
熊田さん:
パンパンですよ。かなりの油ですね。
インタビュー(熊田さん):
そうですね、匂いも結構。
食べたいな!なんてかぶりついちゃう感じ。
S:
マッサージ師 熊田さん
NA(ファミチキ先輩):
ここでね、たっくさん、あったまっておかないと、
美味しくならないんで。
もう、限界まで限界まで耐えて、
限界を超えた先に旨味があるんですよ。
ファミチキ先輩:
あぁあ、はーあつ
インタビュー(ファミチキ先輩):
そうですね。まあだいたい仕事に向かうときは
ここを通りますね。みなさんもう知り合いですよ。
ちょっと目立っちゃうのかな。
このオーラみたいなのが。
インタビュー(女子高生):
かっこいいよね。めちゃいい匂い。
インタビュー(八百屋):
いい匂いするね。
ファミチキ先輩:
俺の行きつけ!
ファミチキ先輩:
あのーいつも通り。ペッパーをお願いします。
インタビュー(店員):
そうです。ペッパーかけて、肩を叩いたり、揉んだり。
うーん4、5年になりますかね。
S:
理髪店のおばちゃん
ファミチキ先輩:
ここのペッパーが一番しっくりきましたね。
腕もいいんで。
インタビュー(店員):
ありがたいお客さんです。
ペッパーかける人、いないですからね。
ファミチキ先輩:
結構、大変なんですよね。
このサイズに合う服を探すのって。
結構おしゃれには気を使ってるんで。
ファミチキ先輩:
あ、お!!これどう思います?
ファミチキ先輩:
あの、一度ストリートスナップに撮られたことあるんですよ。
これ。大したもんだと思いません?
ファミチキ先輩:
どうすか?
店員:
メチャメチャお似合いですね、それ。
ファミチキ先輩:
買います!
店員:
有難うございます。
ファミチキ先輩:
そうですね、
まあ自分が人と違うということに関しては、
もうあんまりそんな気にはならないんですよ。
まあただ、人の目が気にならないって
言ったら嘘ですけどね。
母親:
幼稚園のときは、あのバッグが斜めがけなんですよ。
これがかからない。まあ小学校になったら、
ランドセルは全然ダメですよね。
まあ受け入れられないんですよね。
ファミチキ先輩:
やっぱ子供のすることですから。
ま、でも結構傷つくことはありましたよね。
母親:
しょうがないんだもん。個性ですもんね。
大丈夫だよ。あなたわかってくれる人が
いつか出てくるっていう。
ファミチキ先輩:
母のためにも。ちょっといつまでたっても
ふさぎ込んでちゃダメだって思ったんですよね。
ファミチキ先輩:
ここが、僕の職場でーす。
ファミチキ先輩:
おつかれーす!ミンサーん!
ヘーイ!店長!調子どう?
へへ、だっせぇ。今日も可愛い!!
母親:
今、11年勤めているんですけど、
ものすごく、元気なんですね。
日に日に元気になっていって。
多分、認めてもらっているからだと思います。
ファミチキ先輩:
いらっしゃいませ!
ほ!
はいお待たせいたしました。
インタビュー(ミンさん):
ファミチキ先輩は優しいです。
S:
ミンさん
ファミチキ先輩:
いつも有難うございます。
NA(店長):
まあ、いつも張り切ってやってくれてる
ような感じがしますかね。
ファミチキ先輩:
有難うございました。
店長:
まあ、みんなを引っ張ってくれているというか。
S:
店長
ファミチキ先輩:
これ発注!
店長:
声も大きな声だしますし。
ファミチキ先輩:
せーの!電気!ガス!水道!電気!
店長:
ちょっとすぎるところも。
チカちゃん:
いつも、一生懸命で全力投球な感じで。
S:
チカちゃん
ファミチキ先輩:
お疲れさまでした!
チカさん:
仕事に対する情熱がすごいです。
ファミチキ先輩:
そうですね、
自分のそのアイデンティティっていうか。
ファミマが、初めて自分のこの形を
受け入れてくれた、
そういう場所だったんで。
母親:
まあ、ファミマはね。
そのままで良いって言われるんですよ。
本当にうれしかったです。
ファミチキ先輩:
喜んでくれたんだ。
母親:
ごめん。鶏肉切らしちゃった、
ちょっとファミチキもらっていい?
ファミチキ先輩:
ちょっと、出勤前なんだけどー。
母親:
ごめん。
ファミチキ先輩:
うーん、よいしょ。
(ファミチキをちぎるアップ)
母親:
時々、あのチキンが足りなくなったときは…
ファミチキ先輩:
ちょっとは遠慮してよ。もう。
母親:
はい。
近所のおばさん:
ファミチキ先輩!今日も仕事?
ファミチキ先輩:
そうそう
近所のおばさん:
ほんとう、頑張ってね!
ファミチキ先輩:
ありがとう!!
近所のおばさん:
いってらっしゃい。
ファミチキ先輩:
(大盛況を口ずさむ)あ、やべえ!
CI:
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受賞 | |
業種 | デパート・スーパー・専門店(流通)・繊維・ファッション |
媒体 | WEB |
コピーライター | 福部明浩 |
掲載年度 | 2018年 |
掲載ページ | 353 |