コトバのおすそわけ⑤ディビットヒューム/マービン・ミンスキー
みなさんこんにちは。
早いもので、高田豊造さんから
リレーコラムのバトンをもらってから、
あっという間に1週間たってしまいました。
今日は最終回なので、豪華2本立て!
「理性と感情」に関する、2つの視点を
おすそわけします。
最後のおすそわけ、
おいしく味わえますように。
では、どうぞ。
●
感情とは、思考の単純形だ。
マービン・ミンスキー(MIT教授)
最初のおすそわけは、人工知能の父、
ミンスキー教授のコトバです。
人工知能をつくるにあたり、
思考と感情について調べたら、なんと感情のほうが単純だ
ということに気づいたそうです。
思考はシンプルで論理的、感情は複雑で神秘的、
という一般的な思い込みは、大間違いだと主張しています。
確かに、人工知能を実際につくることになったら、
思考のプログラミングよりも感情のプログラミングの方が、
短く済みそうな気がします。実際そうなんでしょうね。
左脳と右脳、論理と感情、理性と情熱。
それぞれのイメージは、
人工知能の開発現場では、一般論と
逆の解釈になっていることが
面白かったので、おすそわけします。
●
理性は、情熱の奴隷であるべきだ。
ディビットヒューム
もうひとつのおすそわけは、
イギリス18世紀の哲学者の言葉。
数学を唯一論証的に確実な学問と考える彼が、
理性を駆動するのは「情熱」だと
ちょっと強い言葉遣いで断定しているのが
面白いな、と思いました。
最近の仕事は、とにかく細かくて精密で、
目が回ります。昔は、クリエイティブが
熱意丸出しでしゃべった言葉が
得意先に意図せずぶつかって仕事が進んだ、
みたいなことがよくあった気がしますが、
いまは社内会議でも「まちがいのない正確な言い方」を
みんなで競って話している感じがして、
なんかどうも、疲れます。
よく考えると、理性だけで人を説得できた経験は、
個人的にもあまりない気がします。
仕事を進める上で、理性で筋をたて、
議論して深めることはとても大切だと思いますが、
「その仕事を動かしている根っこの情熱」を
要所で思い出すようにすると、理性によって
積み上げ、からみあった複雑さや混乱を
溶かせるのかも。
というわけで、5日間おつきあい頂き、
ありがとうございました!
社内で「コラムやってるね!」と数名の方から
お声がけ頂き、TCCリレーコラムの威力を感じました。
楽しませて頂きました。
さて、リレーのバトンは、
宮崎グループ時代の先輩コピーライター
横道浩明さんにつなぎます。
横道さんがどんなコラムを書いてくれるのかは、
全く想像がつきませんが、私とは全然違う楽しいものに
してくれるはずです!お楽しみに。
横道さん、よろしくお願いします!
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