1984 下
東急エージェンシーインターナショナル(現フロンテッジ)。
この会社を狙ったのは、“スリーエス”の一角SONYの媒体を扱っていたから。
「東急インターでSONYのコピーライターを探している」
というおいしい話を聞きつけた。公募ではない。しかしツテはない。
その時勤務していたプロダクションのちょっとヤバイ同僚A氏に頼んで
なんとか紹介してもらったのが、あるCMプロダクション。
そのさらにヤバそうな、いやあぶない社長プロデューサー(あぶプロ)B氏に
東急インターのCDを紹介してもらう。これがA→B→CD作戦である。
さすが「あぶプロ」ABCD作戦は意外に簡単にまんまと成功した。
生まれて初めて自分の人生を設計したと自惚れていた。
しかし、事件と物語には表と裏が存在する。(お、なんか格好いい)
「ありがとうございました」
大学の合格発表の報告のように嬉々としてAにお礼に言った。
A:「Bが『タダってわけじゃないよね』って言ってるんだ。」
金かよ。
B:「一応50万を30万にしてもらったから」
この合格は裏口入学になった。
この話にはまだ裏があった。
あとでBの会社と仕事したとき、この話に恐る恐る水を向けたとところ。
「キミが代理店に入社したら(仕事もらいたいから)
そんな(金銭要求)ことしてない」と怒り出した。
つまり同僚Aの懐にまんまと収まったのだった。あの野郎!