第2話:姫パイの言葉
Easy revenge!
気楽に復讐を!
藤本タツキ先生作
『チェンソーマン』より
家族も友人もなく、貧困の底にいた少年・デンジ。
悪魔を退治することで日銭を稼いでいたが、
公安所属のデビルハンターとなる。
デンジの世話役は、職場の先輩・早川アキ(男性、通称:早パイ)。
そのアキのバディが姫野(女性、通称:姫パイ)。
姫野からアキに贈られた言葉。
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「気楽」と「復讐」。
本来はなかなか結びつかない
言葉と言葉を組み合わせて、
新しい価値観を提示する。
コピーの定石のひとつですよね、たぶん。
漫画の中の言葉は
物語の積み重ねや流れを受けてこそ輝くものであって、
姫野とアキの関係性もわからないまま
これだけを抜き出されても意味不明とは思うのですが、
あまりに好きなので。
「気楽」と「復讐」。
最高じゃあないっすか……
チェンソーマンは、
週刊少年ジャンプで今まさに連載中の作品です。
「私だってすっかり中年だし、
いくらなんでも小中学生の頃みたいな熱量で
毎週のジャンプを待ちわびることはもうないでしょ」
という温度感で過ごしていたはずが、
チェンソーマン読みたさで
日曜の深夜0時を回るとソワソワし始め、
「あ、またTwitterトレンドに上がってる!何か超展開あった!?
5時になったらコンビニに並んでるかな…」
一度ならず数度、実際に買いに走りました。
※電子版にすれば済むのにジャンプはいまだ紙派です。
話を言葉に戻します。
組み合わせの面白さについてさらに。
チェンソーマンの世界では
人間の日常に悪魔が存在するのですが、
悪魔はみんな「○○の悪魔」と呼ばれています。
○○に入る言葉に対し、
人間がどれほど恐怖を抱いているかに比例して
その悪魔の強さが決まるという基本ルール。
“トマトの悪魔”や“ヘビの悪魔”のように
実体としてある・いるものの場合もあれば、
“永遠の悪魔”のように概念の場合もあります。
「こっちの言葉よりこっちの言葉の方が強いのか!」とか
「いやいやこの言葉の悪魔はヤバいだろ!」とか。
また、作中に登場する悪魔だけでなく、
自分がいちばん畏れているのは
どんな言葉を名前にした悪魔なんだろう?
なんて想像するのもなかなか楽しいです。
(暗いなぁ)
と、ここまで
下手な理屈を捏ねてみたものの、
私がチェンソーマンの言葉に惹かれる
いちばんの要因は、
台詞のための台詞になっていないところ。
漫画のキャラクター達の台詞が、本当に、
普段の普通の会話や発語になっているところ。
近年のジャンプ作品の中では
圧倒的に台詞の数が少なく、
解説パートもほとんどない印象です。
でも、その、全てを説明しない言葉に、
めちゃくちゃ抉られます!
ネタバレせずに
チェンソーマンのよさを伝えるには、
私の語彙力では限界のようです。
リアルタイムで追いかけられるうちにぜひ一読を!!
(少年ジャンプ+で3話まで無料で読めますよー)
『デンジ君 ホントはね』
も、取り上げたかった…
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チェンソーマンは登場する女性キャラがことごとく
厄介で魅力的なのですが、
こちらも女性キャラの言葉だったり描き方に打たれる作品から次回、
『寝不足か?毛穴開いてんぞ』
です。
よろしくお願いします。
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