息子よ、あの日を私はいまも忘れていない。たしか16歳の秋の日だった。はじめて雄鹿をしとめて、またブルブル
震えている私の肩に、父は自分が着ていたバッファロー・プレイド・シャツを掛けてくれた。それは父の手の
ように大きく、あったかかった。あれから、もう何年たったのだろう。息子よ、私もいつの日かこのシャツをお前に
渡したいと思っている。サルビアの花がまっ赤に燃える前に、コロンビア川に鮭が登ってくる前に、その日が来て
くれたらと思っている。息子よ、帰ってこないか。お前とよく釣りをした岩場から、きょうも滝の音がきこえている。
杜松の木にこしらえたブランコは、きょうも風に揺れている。息子よ、目をとじて心に聞いてみるがいい。ほら、
誘惑されるだろう。お前も、もうバッファロー・プレイド・シャツを着る年頃になったのだから。息子よ、笑って
いるか。息子よ、泣いているか。息子よ。ドアを開けてここまで出てこないか。 THE GREAT OUTDOORS Wrangler
NO.14127
広告主 | ラングラー・ジャパン |
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業種 | デパート・スーパー・専門店(流通)・繊維・ファッション |
媒体 | ポスター |
コピーライター | 田村義信 |
掲載年度 | 1977年 |
掲載ページ | 90 |