TCC会報出張所

こども広告教室2022@春日小学校

去る2022年12月16日(金)に練馬区立春日小学校で「こども広告教室」を開催しました。

5年生1クラス38人のこどもたちが『「じぶん」にキャッチコピーをつけよう!』をテーマに、ワークショップ形式でコピー制作に取り組みました。

 

広告とはどんなもの?

広告教室は授業の2限からスタート。広告についての理解を深める「全体講義」のあと、3限目「ワークショップ」、4限目「プレゼンテーション」と続きます。


まずは講師役の西尾ヒロユキさんが、TCCの紹介、コピーライターの仕事、広告とは何か、広告媒体にはどんな種類があるのかなどを説明しました。
「広告から学ぶものは、みんなに伝える技術です。言いたいことを伝えるためには言葉が必要です。その言葉を考えるのが、コピーライターです。そして今日、みなさんが、コピーライターになってください」と西尾さん。

 


続いて、坂本和加さんが、コピーとはどういうものか、どのように作るのかを解説。実際の広告コピーを例にあげたり、こどもたちの生活に身近な例えを盛り込むなどして、わかりやすく伝えました。

 

自分のいいところって?

ワークショップでは、実際にコピーを制作。9名のサポーターが各班について、こどもたちの作業をサポートしました。

   

事前の宿題として、こどもたちには、自分のいいところを考えて来てもらいました。さらに、班のメンバーにも自分のいいところを聞きながら、みんなにどんな「自分」を伝えるのかを決めて、一行の言葉にしていきました。

キャッチコピーが書けたら、伝えたいことがしっかり伝わるように、コピーを合体させたり、言い換えるなど、サポーターにアドバイスをもらいながら、さらに磨きをかけます。


完成したキャッチコピーは、プレゼンテーションでみんなに見せるため、画用紙に大きく書き込みます。文字だけの表現ですが、みな工夫を凝らして、それぞれに個性あふれる仕上がりになりました。

 

みんなの個性が一堂に

4限のプレゼンテーションでは、それぞれが書いた自分のキャッチコピーを、全員の前で発表しました。
前に出ての発表もみんな堂々として立派でしたが、どのコピーも、自分についてしっかり考えて作成したことが伝わってくるものばかり。

「みんなうまいね!」と西尾さん。「45分という短い時間で書いてもらいましたが、一つとして同じものがありません。みなさんが書いてくれたキャッチコピーは、みなさん自身です。ですから、これからも毎日、先生と学びながら、友だちと遊びながら、自分の書いたキャッチコピーをさらに磨いていってもらえたらと思います。そして、一人ひとりのキャッチフレーズはみんなへの約束でもあります。どうか心に刻んで、自分のキャッチフレーズに負けないように頑張ってもらいたいと思います」。

坂本さんからは「こうやって、自分にしかないものを言葉にして、それを好きだと思うこと、それは、みんなを助けてくれるはずです。みんなは一人ひとり違うし、違うということは強みなんです。自分が書いたものは誰とも似ていないし、それを自分が一番好きだということを忘れないでいて欲しいです。これからも自分のキャッチコピーをどんどん増やして、いろいろな場所で使えるように持っていて欲しいです」とお話がありました。

 

【プロジェクトメンバー&サポーターから】

    

・今日書いたキャッチコピーだけでなく、新しくどんどん追加して、自分の中の言葉や自分の中の約束をたくさん増やしていけたらいいなと思いました。
・友だち同士が、それぞれのいいところをポンポン出せるという関係性がすごくうらやましいなと思いました。そういう友だちは財産だと思いますので、大事にしていってください。今日は楽しかったです。
・もしまだ考え足りなかったという人がいたら、他の人のコピーも見て、面白い表現があったら、自分ならどう書くかなと考えていくと、もっといいコピーが出せるようになると思います。
・キャッチコピーを作って発表するということが授業の目的ですが、自分にどんな特長があって、どこを自分が好きでということを見つけ合って、言い合うということが、すごく大事だなと思いました。コピーライターにならなくても、自分のここが好きだと思ったことを心に留めながら大人になっていただけたらなと思いました。
・自分のことを知るのはちょっと怖いかなと思いますし、それを人に伝えるというのはさらに頑張らないといけないことなのかなと思いました。人前で自分の言葉を伝えることの緊張感を、今日あらためて思い出させていただきました。
・コピーライターの仕事は、すでにあるこの商品にどこから光を当てたら一番輝くのかを考える仕事なんですけれども、1時間考えただけで、みんなの素晴らしいところが、ここにバーッと並んで、すごいなと思いました。ちょっと考えただけでこんなに出てくるぐらい、みんなの中にいいところがたくさんあるということを忘れずに、自信を持ってまた明日からがんばってくれたらなと思います。
・忘れられないような面白いコピーをたくさん書いてもらいまして、本当にびっくりしました。みんながそれぞれの、友だちのいいところ探しを時間をかけてやってくれたのがよかったなと思います。最後までどうやったら面白くできるのかを粘って考えたことがすごくよかったなと思います。
・今日、みんなの発表を見ていて、ゲラゲラ笑ったりしていたと思います。言葉って、たった一言なのに、元気になったり、笑わせたりとか、イヤなことを忘れさせたりできる、誰でも使える魔法なので、一人ひとりが、元気になる言葉をお友だちとかに言って、みんながハッピーになれるといいなと思いました。
・今日、宿題で自分のいいところを書いてきて、その中でも、一番、自分らしく大事にしていると思うことを、自分自身で選びました。自分が大切にしていることを大切にするというのは、生きていく上ですごく大事なことだと思いますので、それをいつも意識してもらえるといいかなと思います。
・今朝、自分のキャッチコピーを「心は小学5年生」と書いたのですが、やっぱり恥ずかしくなって隠していました。でも、みなさんと話しているうちに、すっかりみんなの仲間になった気持ちで楽しく過ごさせてもらいました。コピーにウソは書いてはいけないよ、というお話が全体講義の中でありましたが、私のキャッチコピーはウソじゃなかったと確信することができました。ありがとうございました。

 

最後に、「もしこの中に、コピーに興味を持ってコピーライターっていいなと思ってくれた人がいて、10年後、20年後に、春日小学校でコピーの授業にでたんです、と再会できたらうれしいなと思っています。楽しみにしています」と西尾さん。

未来のコピーライターに、みなさんもサポーターとして会いに行って見ませんか。

 

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プロジェクトメンバー:
大友美有紀、川田琢磨、坂本和加、沢辺香、西尾ヒロユキ、丸原孝紀

サポートメンバー:
阿南由貴佳、魚返洋平、 大塚麻里江、河内大輝、神戸海知代、木村亜希、田中直基

※50音順
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