眞木準さんと山下達郎さんはよき盟友だった。
「高気圧ガール」 「湾岸スキーヤー」
こんな名作タイトルがコピーから生まれた。
息がぴったり合っていた。
ふたりには共通するところが多くあって
ごく自然に脳波がハモっていたに違いない。
都会的であること。
おしゃれであること。
粋で、クールで、洗練されて。
1980年代、いわゆる「シティポップ」の全盛期。
眞木コピーも同じ時代の表舞台で輝いていた。
そのフレーズを達郎メロディのサビにのせて
まぶしくおしゃれなCMが生まれた。
それにしても!
Wikipediaの記述があまりにひどい!
悪意ではなくとも無理解か無神経からか
「駄洒落コピー」と書かれたままだ。
「おしゃれなコピー」と
「ダジャレなコピー」とはまったく違う。
帰ったら、白いシャツ。
恋を何年、休んでますか。
夏や海や風の匂いも。
都会の夜の大人の匂いも。
こんなフレーズに蒸留できる。
こういうおしゃれが眞木コピーなんだ。
そういえば。
あの時代の日本の「シティポップ」が
なぜか海外の若い世代に人気らしいね。
代表格が達郎さんやまりやさんだという。
DTMの先駆者でもあった
山下達郎のナンバーはあの頃から
ぶ厚くてハーモニックで
めっちゃグルーブしてかっこいい。
眞木コピーをZ世代の美大生たち
デザインを学ぶ学生たちに紹介すると
素直におしゃれを感じとってよろこぶ。
ANAもISETAN もみんな好きだという。
そうだ。
黒のARMANIが
似合っていた眞木さんは
とってもCITYで
ほんとにPOPだったんだよ。
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ひさしぶりのリレーエッセイ。
ここまでとします。
お付き合いありがとうございました。
なぜか最初から最後まで
博報堂系のお名前が並んだなあ
・・・と思いつつ。
だからということでもないのですが。
来週からは最高新人賞の
中野仁嘉さんにつないでもらいます。
中野さんのチームの仕事で
授賞式でも話していたところの
去年 ADC賞を受賞した
別の「カロリーメイト」の広告。
プログラマーをターゲットに
コピーが C 言語で書かれているやつ。
あれもクールでかっこよかったなあ。
「うちこむ人に」
というフレーズもキマっていた。
きっと眞木さんも「いいね」と
言ってくれたと思うよ。