リレーコラムについて

使命感について

関陽子

去年の今頃、とあるCDが

クリエーティブの原動力は「謎の使命感」なんじゃないか、という話をしていて、

以来そのことについてずっと考えています。

・・いえ、さっき思い出しました。

 

使命感=自分に課せられた任務を果たそうとする気概(←今goo辞書さんに聞いた)

だそうですが、

そこに「謎の」がつくと、

日々の仕事や目の前の課題解決への気概、以上の

世の中をより良くしたいとか、

お節介でもいいから世界の誰かのためになんかしたいとか、

そんな視座とエネルギーという才能のこと、になる気がする。

 

みなさま、謎の使命感、ありますか?

それによって、動いてますか?

コピーや企画、考えてますか?

 

社会や他者との結びつきが強いほど(たとえばこの子の未来を守ろうとか、故郷の町を元気づけようとか・・)

それを育てるきっかけが増えるのだとすると、

私は恐ろしくそこが弱い。

ただまあ、それは言い訳に過ぎず。

目の前の商品が売れるように、とか、ブランドの育成を、とか、

仕事としての責任感は人並みにあるけど、

謎の使命感に突き動かされて動いてはこなかった気がする。

そして、やっぱり世の中のアウトプットを見ていると

謎の使命感が根っこにあるクリエーティブは

太くて、強くて、かっこいい。うらやましい。

一生に一度、そういうコピーを書いてから引退したい。

 

多分、ここを読んでいるコピーや広告の仕事に興味を持つ若いみなさまは、

社会や世界への謎の使命感に満ちていることでしょう。

そのエネルギーと才能を、大事にして大成してください。

 

なお、角田光代さんの小説「タラント」は

使命感は才能である、をテーマにした傑作です。

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