黒シャン
さぁ、今日もいきましょう。
ヴィンテージ古着をコピーライター視点で楽しむために、
古着のディテールに付けられたネーミングから
その魅力を紐解いていく誰得コラム。
本日は「黒シャン」です。
〇〇シャンといえば、
一般的にメジャーなのは
「朝シャン」でしょうか。
資生堂の朝専用シャンプー、
モーニングフレッシュのCMから
流行語にまでなった「朝シャン」。
たしかに強い言葉ですが、
すいません、
古着業界では断然「黒シャン」です。
いわゆる「ブラックシャンブレー」、
タテ糸に染め糸、ヨコ糸に白糸を使った
薄手の平織り生地の略語です。
アメリカ物のワークシャツや、
ユーロ物のアトリエコートなんかに
使われている生地ですね。
「ブラシャン」ではなく
「黒シャン」と言ったところが
実にアッパレ。
感じますか・・・?
「黒」に込められた、
ちょっとワルそうなアングラ感。
「シャン」の響きにただよう、
どことなくルードなムード・・・
たまりませんね。
白Tにガバッと!引っ掛けるように
「黒シャン」のワークシャツを羽織れば、
向かうところ敵なし。
俺はいま「黒シャン」を着ているぞ!
気つけろ!そうとうワルいぞ!俺は!
という気分を演出してくれます。
身に着けるだけであなたを1UPさせてくれる、
アガるディテール名ですね。
もうひとつ。
実は「黒」という色自体が、
古着好きにとって
特別な意味をもっているのです。
そもそも、
ヴィンテージ 古着界において、
黒は希少色。
日常着として暗い色は好まれなかった
などの理由があるらしいですが、
とにかく出玉が少ない。
ゆえに、黒色というだけで、
同じ商品でも価格がはねあがる、
なんてことがしばしばあります。
店頭では、
「・・・しかもこれ、黒ですよ!?」
(え?こんなに希少な物、逃していいんですか?ホントに?の意)
というセールストークが展開されますし、
古いレタードカーディガンなんかでは、
「この黒は動物の血を煮詰めて染めているらしい…」
なんていう、
魔女リティの高い噂も耳にしたことがあります。
それぐらい、
黒に心酔している我々にとって、
「黒シャン」というネーミングが
いかに輝いてみえるか、
お分かりいただけますでしょうか…?
ちなみに、
今でも新品の服を見に行くと、
「え!?黒と他の色同じ値段!?安っ!」
と思ってしまうことがあります。
古着好きのおじさんが黒い服を着がちなのは、
こういう理由があるのかもしれませんね。
では、次で最後です。
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