冬物語「ポチ」 90 ♪:
in~B.G.

N:
フレンディ、冬物語―
ビスケット色した犬がいた。
ひなたぼっこで暖かくふくらんで、
名前を呼ぶと、やさしい目だった。
そのころは、どこの犬も、
ポチとか、ジョンとか、シロとかの、
いかさない名前で、
ぼくの犬も、御多聞にもれず、ポチと呼ばれていたっけ。
ボール遊びをすると一緒になってはしゃぐ。
口笛を吹くと、耳を立ててまじめな顔をする。
時には泣きべそかいて抱きしめると、
毛糸によく似た匂いがした。
木枯らしの中で、子供と犬が走っていた。あの冬の朝。
カップの中に熱いこはく色。
僕の部屋にブレンディの香りが広がる……
そんなゆっくりとした朝によみがえる、幼き日の冬物語。
ブレンディのこの一杯に息づく。
味、コク、香りのハーモニー。
ブレンドがいいからブレンディ。

NO.11238

広告主 味の素ゼネラルフーヅ
業種 食品・飲料
媒体 ラジオCM
コピーライター 廣田静子
掲載年度 1982年
掲載ページ 313