突然ですが、僕はウマ娘が大好きだ。 初めまして。私はサントリーという会社で、缶コーヒーBOSSの商品開発を担当している者です。私事で恐縮ですが、趣味は競馬で、ちょこちょこ馬券を買いはじめて6年ちょっと。競馬にハマったきっかけは、2015年12月27日日曜日の有馬記念。奇しくもゴールドシップの引退レースでした。夕暮れ時の新宿駅。駅前の大型ビジョンを見つめる人々の歓声や悲鳴。それを目の当たりにし、私は一瞬で心を奪われました。こんなにもファンが熱くなるスポーツだったなんて。その日から私は競馬にのめり込み、週末のひとときの楽しみから、気付けば生活の一部に。競走馬の個性。それぞれの背景にある物語。受け継がれる血統。競馬は知れば知るほど奥が深く、単なるスポーツとしてではなく、自身の子供の成長を見守るかのように、レースに、そして馬に釘付けになっていき、いつしか競馬歴20年の友人にも劣らないほどの知識を身につけていました。そんなある日。ふとある広告が、私の目に飛び込んできた。それは、広々としたターフを、馬の耳と尻尾をつけたキャラクターが激走する姿。「なんだこれは(衝撃)」。私は度肝を抜かれた。「ウマ娘 プリティーダービー」???――競馬をモチーフにしているようだが、競馬が好きだからこそ、当初は困惑しながらも、気になっている自分もいた。そしてさらに数日後。街中、電車の中、ありとあらゆる場所で、このゲームに没頭している人々を目の当たりにした。「なんだこれは(驚)」。ここまで人々が魅了されるのには、何か訳がある。「これは遊びじゃない。市場調査だ。」私は自分に言い聞かせ、ゲームをダウンロードしたのが、全ての始まりだった……。ダウンロードのさなかに流れる心躍るオープニング画面を経て始まったのが、「URAファイナルズ決勝」と銘打たれたムービー。そこで今からレースに出走しようとするウマ娘たちの名前のラインナップに、私は目を疑った。1番ナリタブライアン。2番シンボリルドルフ。3番マチカネフクキタル。4番アグネスタキオン。5番ハルウララ。6番ナイスネイチャ。7番グラスワンダー。8番サイレンススズカ。9番スペシャルウィーク。10番トウカイテイオー。11番メジロマックイーン。12番ライスシャワー。13番ゴールドシップ。14番マヤノトップガン。15番ダイワスカーレット。16番ウオッカ。17番オグリキャップ。18番スーパークリーク…。年代を超えて記憶に残る、競走馬の名前が揃い踏み。レースが始まると、大逃げするサイレンススズカ。そしてスズカをはじめウマ娘たちはゲートからスタートして、実際の競馬場を再現した芝のコースを懸命に走っている。この光景、不思議と目が離せない。というか、「本当の競走馬が走っているように見えてるのって…俺だけ?」。こういったゲームをあまりプレイしたことはなかったが、ゲームの本気度合い、すなわち、勝利への執念が、なんか違う…と釘付けになってしまった。このレースで勝利を飾ったのは、ゲームのアイコンにもなっているスペシャルウィーク。すると今度は「ウイニングライブ」と称して踊り歌い始める様子を目の当たりにしてさらに驚愕。1着がセンターで歌うってこと!?しかしダンスや演出が凝っていて最近のゲームの技術すごいな…。そんな感想を頭に浮かべながら、私はライブを視聴していた。実を言うと、「とはいえレースとライブってどう繋がるんだろう?」と思っていた時期もしばらくあったが、今やそんな考えは、彼方、その先へ…飛んでいってしまった。ウイニングライブ、サイコー!
ゲームは進み、ダイワスカーレットを育成するチュートリアルを経て、いよいよ自分で選んだウマ娘の育成。私は見た目がカッコいいという理由でウオッカをチョイス。そしてレースに勝った瞬間、ウオッカをセンターにして始まるウイニングライブ。自分が育てたウオッカがセンターで歌っている嬉しさ、この上なし。見守る私はもはや、保護者の目線。たしかにこれを見せられたら勝たせたくなる!と勝利の鼓動がわくわくヨーイドンしてしまった私。とはいえ、何をどうすればいいかわからないまま育成していたので、初回は目標全達成できず、「礼を言わねーとな!サンキュ!」と腕を上げ走るウオッカの姿に、「いや、こちらこそありがとうだよ、ウオッカ…」と目を細めたその瞬間、わかってしまった。「あ、これはこの子たちが強くなるまで、ずーっと育成しちゃう奴だ」。私がこのゲームの奥深さを確信した瞬間だった。「なんだこれは(驚)」前述したが、これが私がウマ娘というコンテンツに初めて触れた時の反応だった。しかし今の想いはこうだ。「なんだこれは(感激)」。今までも競馬をモチーフとしたゲームはいくつかプレイしてきたが、まさか自分がここまでウマ娘にハマるとは正直思っておらず、こんな感情は初めてだ。なぜここまで魅了されているのか。一つずつ語らせて欲しい。まずは何と言っても、競馬へのリスペクトぶりだ。距離適性や得意なコースにとどまらず、毛色、流星、性格、カラーリング、勝負服、着用していたメンコの色など、元になっている競走馬の特徴のモチーフが、これでもか!というレベルでキャラクターデザインに織り込まれており、見れば見るほど発見があって飽きない。牡馬だった子の耳飾りが右耳、牝馬だった子の耳飾りが左耳、というのは、競馬ファンならまぁ想像できるかもしれないが、「左右の足の色が違っていた競走馬は、靴のデザインを左右で変えている」だったり、芸の細かさが本当に心憎く、よくぞここまで…!というこだわりにワクワクしっぱなしだ。それから、長い直線が特徴の東京競馬場、短い直線が特徴の中山競馬場など、コースによって異なる特徴がしっかりと再現されているのも競馬ファンが熱中している要因の一つだろう。ことあるごとに、運営の本気の競馬愛が伝わってくる。二つ目は、ストーリーが神っていること。プリティーダービーを名乗っているからには、可愛い女の子がキャッキャウフフと楽しく競走しているんだろう。優しい世界だ…などと、一瞬でも想像した自分の浅さを、今となっては叱りたい。そもそも、超超超超ドラマチックな展開が後を絶たない史実がベースにあるじゃないか、と。勝つ時は勝つ。負ける時は負ける。怪我や不調や身体の弱さに泣いたり、ヒール呼ばわりされて傷ついたり……育成ウマ娘イベントもメインストーリーも、そしてアニメも、蓋を開けてみたら、少年漫画顔負けのバチバチのスポ根ストーリーだった。もしも競走馬にレース当時の気持ちを聴くことができたなら。もしもサイレンススズカが天皇賞(秋)を走り切れていたら…。それらを想像することは、実はただの人間のエゴかもしれない。しかし、ウマ娘一人一人に与えられたドラマたちは、Eclipse first, the rest nowhere. 唯一抜きん出て並ぶ者なし。ものすごい説得力と抗えない魅力を放っている。たとえば私の場合、一番初めに泣かされたのはキングヘイローのストーリー。菊花賞を勝てなかった際に「……諦めが悪すぎる、私のトレーナーだわ……っ!」とキングが言うシーンと、高松宮記念を狙う「一流の覚悟」イベントで、キングが勝負服を着て「私は私だけの強さを手に入れる。それだけで十分でしょう?」と言うシーンで2回泣いた。もしかしたら別のところでもう1回か2回泣いた気もするが。ストーリーが良すぎて、キングのことがこれまで以上に好きになってしまった。また、どんどん個人的な話に入っていくが、ライスシャワーにまつわるストーリーも大好き、いや、大大大大大好きだ。ゲーム内でライスと初めて出会ったのは、メインストーリー第1部 第2章「小さながんばり屋」。彼女が主人公のストーリーだ。ステイヤーとしての能力を見出され、菊花賞ではミホノブルボンに、天皇賞(春)ではメジロマックイーンに食らいつき、追い抜こうとするライス。ムービーの中で懸命に走るその姿に、私は激しく心を揺さぶられ、気付けば視界がぼやけ、目に涙が溜まっていた。ウマ娘たちがただ懸命に走っているだけで、その姿にグッときてしまうのはトレーナーのサガだと思うが、「ライスだって……勝ちたいっ!」そんなセリフを思い出すと、目頭が本当に熱くなる。そして、何と言っても、レース後のウイニングライブのシーンは、筆舌に尽くし難い。私が、あるいは、私に娘がいたとして、ライスのような状況に置かれたとしたら……などと想像すると、ライスが背負ったプレッシャーの大きさと、それに立ちむかう彼女の姿に尊敬の念を抱いてしまう。ライスだけでなく、ライスシャワーを気遣うメジロマックイーンやミホノブルボンも健気で、全体を通して感動的なストーリーとなっているので、全てのトレーナーにプレイして、そして見返していただきたい。その後ほどなくして、めでたくライスシャワーをお迎えすることができ、初めて育成する際は、それはそれは大切に育成し、ストーリーを熟読した。絵本で読んだ、みんなに幸せを呼ぶ「青いバラ」のようになりたいと願うライス。泣き虫だけど、ひたむきにトレーニングを重ねるライス。育成ストーリーのほうは、レースに勝てば勝つほど、ライスを笑顔にすることができるので、日々に疲れていた私の心に、彼女の笑顔と涙が深く染み込み、たちまち浄化されていった。今でもチーム競技場の長距離エースとしてテコ入れ育成する時は、「今回もライスを幸せにするんだ!」という気迫で、毎回仕上げている。ちなみに、未見の方がいたら本当に申し訳ないが、TVアニメ第2期でもライスのひたむきさと努力がしっかり描かれているので、ライスのお兄さま・お姉さまを自負する方も、そうでない方も、ぜひ観ていただきたい。私が一番思い入れのある部分は、詳細は省くが、やはり、「ライスはヒールじゃない。ヒーローだ。」のくだり。本当に格好良くて震えた。その後の展開でも「ぐわあ〜〜〜〜〜!」と涙腺が尊み☆ラストスパ— (゚∀゚) —ト!してしまい、家族にクスっと笑われた。その他にも、「競馬ファンだからこそ知っている話」で楽しめるのはもちろん、「マルゼンスキーが日本ダービーに出る」「トウカイテイオーが菊花賞を走る」など、実際には実現しなかった夢を叶えたり、このウマ娘とあのウマ娘が会話するんだ…などの、意外な視点・組み合わせが提示されたりと、フィクションだから可能なことを楽しめるのも、ウマ娘のストーリーの醍醐味だ。だからこそ、競馬ファンだけでなく、競馬を全く知らない人でものめり込めてしまうのだろう。ストーリーに関して、最後にもう一つだけ語らせて欲しい。「どうした急に」と言われそうだが、私には夢がある。それは今この瞬間も、自宅で、カフェで、電車で、その他、電波のある場所で、ウマ娘をプレイしているトレーナー一人一人に、「あなたが一番好きな育成ウマ娘イベントは、どのウマ娘のどれですか?」と聞いて回りたい、という夢が。きっと全員、違う答えを返してくれるだろうから…。そんなストーリーの良さをコーナー加速○させているのが、ゲームを構築している技術の高さ。快適なUI、レースやウイニングライブのクオリティ、ウマ娘の可愛さ、格好良さ。全ての面において完璧なのだ。聞いたところによると、ウマ娘のキャラクターに合わせて、アクターやダンサーなどの演技をモーションキャプチャーで撮影して実装しているとのこと。だから初めてウマ娘を見た時に、ターフを懸命に走る姿が本物のサラブレッドに見えたのだと納得した。そしてウマ娘の性格やひたむきさが伝わってくる、生き生きとした表現。そのおかげで、どのウマ娘も先頭でゴールさせてやりたい。こちらもできうる限りの最善を尽くさねばならない、と思わされてしまう。そしてなんと言っても、育成が楽しい。トレーナーとして一人のウマ娘と共に3年間を過ごし、夢である大レースでの勝利を目指すのだが、トレーニングとイベントのテンポ感が良く、また、難しすぎず、簡単すぎない難易度のバランスが絶妙である。これは超個人的な持論だが、「運の要素に翻弄される」という要素も、自分のズブズブ具合を加速させている気がする。因子の配分を変え、サポカの配分を変え、継承ウマ娘の組み合わせを変え、コンセントレーションして試行を重ねても、すぐに報われることが少ない。しかし「こんなにやっているのに全然報われねーな……」と思った瞬間、たまに完璧に近い仕上がりの育成ができた時の達成感は、計り知れないものがある。「ユメヲカケル!」という楽曲の「努力だってなぜか嬉しい」という歌詞をしみじみと思い出すひとときだ。一人で黙々と育成するだけだったら、もしかしたら私も、どこかで辞めてしまっていたかもしれない。しかしウマ娘コンテンツの盛り上がりは、とどまることを知らず、だからこそ私も、どこまでも併走しつづけたいと思ってしまう。ゲーム内だけの盛り上がりを挙げるだけでも、疾風怒濤。頻繁に開催されるストーリーイベント、ムービーの仕上がりやストーリー展開がとてつもないメインストーリー、LEGENDウマ娘に挑めるレジェンドレース、トレーナーが手塩にかけて育てた猛者ウマ娘たちが集うチャンピオンズミーティング、待望の新育成シナリオとなるアオハル杯編、そしてクライマックス編シナリオ。そこにゴルシウィーク、ハーフアニバーサリー、1周年などのお祭りや、ひっきりなしに新要素が投下されるウマ娘たちの会話と、飽きる暇がない。私の近くでプレイしている人がどれだけいるのかは把握していないが、SNSなどを覗くと、知らない誰かが必ず盛り上がっているので、ウマ娘を追いかけている限り、終わらないお祭りに参加しているようで、そのおかげでこの1年、現実世界も頑張れた気がする。笑いたければ笑ってもらって結構。そうそう、「プレイする人によって、色々な楽しみ方ができるところ」も、ウマ娘の魅力の一つだ。競馬好きの人であれば、そのウマ娘が持つ背景を深掘りすること。育成ゲーム好きな人であれば、他のトレーナーが育てたウマ娘たちとのレースで勝利を目指すこと。音楽好きな人であれば、名曲の数々を楽しむこと。アニメやキャラクター好きな人であれば、個性豊かなウマ娘たちを愛でること。などなど、楽しみ方は人それぞれ。自分に合った楽しみ方がきっと見つかるはずだ。まだやったことのない人は是非プレイして欲しいと、心から思う。ゲームが得意でない場合も、アニメやマンガを通してウマ娘の世界を楽しむことができる。TVアニメは第1期も第2期も素晴らしいので、未見の方はぜひ観て欲しい。ちなみに、「何でも一つ言うことを聞くから、ウマ娘、アニメだけは観てくれ!そして観るなら二期まで観てくれ!」とレコメンドした友達から「ウマ娘のアニメ、良すぎるんですが??????」という逆ギレ気味の連絡がいきなり来て、ほくそ笑んだのは良い思い出だ。そして最後に、競馬ファン出身のウマ娘トレーナーとして、外せないポイントを挙げさせて欲しい。それは、ウマ娘をプレイすればするほど、題材となっている本家本元の競馬の素晴らしさを確信できること。無敗の三冠からの史上初の七冠馬となったシンボリルドルフ、3回の骨折を乗り越え1年ぶりのレースで奇跡の復活を遂げた、トウカイテイオーの有馬記念、アイドルホース・オグリキャップの有馬記念ラストラン、三冠合わせて15馬身半の差をつけて勝ったナリタブライアン、天皇賞(秋)を制し、牝馬活躍の先駆けとなった女帝エアグルーヴ、影すら踏ませない大逃げで魅せたサイレンススズカ、芝の古馬中長距離のGⅠを完全制覇したテイエムオペラオー、などなど…。人の手によって書かれたシナリオ以上に不思議で、奇跡としか言いようのない展開・結果・記録のオンパレード。私自身の記憶にあるレースを再確認したり、知らなかったレース展開を見つけて驚いたり。ウマ娘内のエピソードと史実の反芻の反復横跳びで、日々忙しく過ごさせてもらっている。最近は、「名前を隠して発表される新ウマ娘」の予想も、密かな楽しみとなっている。髪飾りやチラ出しされる台詞、その子が絡んでいる実装ウマ娘などをヒントに分析を試み、気付けば延々と史実を漁ってしまっている…。トレーナー兼サラリーマンな私の朝は早い。起床と同時にゲームを立ち上げてログインボーナスをゲットし、所属サークルを確認して靴を投げ、デイリーミッションを消化したのち仕事の机に向かう。聞かれなくても勝手に答えるが、ホーム画面で私を出迎えてくれるのは、大抵の場合がライスシャワー。「あのね、さっきプレゼントが届いたの!ライスも、一緒に見ていい…?」「ふぅ…牛乳毎朝飲んでるのに、どうして大きくなれないんだろ。量が足りない…のかな…?」などの呼びかけに、恥ずかしながら笑顔が止まらない。育成に着手するのは終業後。残業があった日にレンタル5回を消費するのはなかなか大変だが、不退転の決意で、眠気と闘いながらなんとかやっている。そのおかげか、ウマ娘を始めたら、仕事の効率が上がった気がする。「嘘だ!」「幻惑のかく乱食らってるぜ、それ!」などの声も容易に想像できるが、たぶん嘘ではない。なぜなら育成には、集中力が必要。そのため、本気でウマ娘を仕上げたい日は、集中して育成する時間を確保すべく、ダラダラ残業しなくなったからだ。オフで用事がない日は、チャンピオンズミーティングのための因子周回や、チーム競技場の強化に励んでいる。次のコースに合ったスキルは何か。継承させるべき固有スキルは誰のか。どう育てば勝てるのか。勝ちたい。勝ちたい。勝ちたい。キミと勝ちたい!という気持ちで、解説動画や記事とにらめっこしながら、限られた時間の中で試行を重ねている。今ではすっかり手癖とカンでそこそこ育成できているのも、よく考えたら恐ろしい話だが、それでも猛者が多すぎて、勝てた経験は数えるほど。だから、バッキバキに強そうなウマ娘が並ぶ中で1着を獲った時、しかも、私が競馬にハマるきっかけをつくってくれたゴールドシップが勝った時、私のスマホのカメラロールは、ゴルシのドロップキックのスクリーンショットだらけになっている。育成に疲れたら、ホーム画面にいるライスをひたすらつっついたり、ライスをホーム画面から外して、ハルウララやミホノブルボン、メジロマックイーンとやりとりする様子を愛でたり、ライブシアターで「ささやかな祈り」を視聴して、感涙によって目を潤したりしている。このような感じで、私は「ウマ娘 プリティーダービー」と春も夏も秋も冬も超え、願い焦がれ走って来てしまったが、ふと、「ウマ娘へのこの情熱を、自分の仕事に繋げることができないか」と考えるようになってしまった。繰り返しになるが私の仕事は、缶コーヒーBOSSの商品開発に関わる仕事。BOSSは「働く人の相棒」として長年、沢山の方に愛飲されてきた。働く人。それは全力で走っている人。つまり実質ウマ娘じゃないか??天啓を得た私はうぉおお!ファイヤー!!してしまったが、さすがにそれでは上司を説得できないと冷静になり、缶コーヒーとウマ娘の間に何か結びつきがないか調べると、「ん…?缶コーヒーユーザーと競馬ファン、重なりが多いかも…」。このデータは説得の追込に使えそうなものの、とはいえこのデータ1つと「自分が好きだから」という理由だけでは、到底通る訳がないと思った。しかし次の瞬間。私の覚醒Lvが上がった。「言わせない言わせない言わせない言わせない、データがもっとあったならなんて、絶対言わせない!」。一世一代の博打うち、私は上司に反対される覚悟で真っ向勝負のプレゼンをすることにした。案の定、上司は最初のうちは否定的だった。しかし私は説得をつづけた。「絶対は、ボクだ」そう感じさせる気迫が、当時の私からは立ちのぼっていたという。最初は強張った表情をしていた上司も徐々に諦め顔になり、「お前がそこまで言うならやってみろ」。そう言って、企画を承認してくれた。想いは届いた。「これがー!諦めないってことだあああああああ!」お蔭様でBOSSはこの秋、30周年を迎える。そして、缶コーヒーBOSSと同じくらい、お客様から愛されてきた“ボスジャン”も、30周年を迎える。そこで「いつも共に走ってきた、働く人の勝負服」と銘打ち、「BOSS×ウマ娘のコラボボスジャン」をつくることにした。ウマ娘たちがトレーニング中に身に着けているジャージを再現。背面に大きくBOSSロゴを配し、遊び心も込めて、誰よりも速く駆け抜けられるように“加速スキル”も取り付けることにした。デザインを発注した際に見せた社内のデザイナーの表情は、今でも忘れられない。そしてコラボボスジャンの他にも、1992年からの歴代ボスジャンを、なんと13人のウマ娘たちに着てもらった。初代ボスジャンを着るのは、“皇帝”シンボリルドルフ。’93ボスジャンを着るのは、“勝利の探究者”ビワハヤヒデ。革製の’94ボスジャンを着るのは、“影をも恐れぬ怪物”ナリタブライアン。フサフサなフード付きの’95ボスジャンを着るのは、“変幻自在”マヤノトップガン。背中がシブイ革製の’96ボスジャンを着るのは、“クールビューティー”メジロドーベル。ロング丈とショート丈が選べるコートタイプの’97ボスジャンを着るのは、“女帝”エアグルーヴ。トレーナー仕様の’98ボスジャンを着るのは、“異次元の逃亡者”サイレンススズカ。家族お揃いで着用できる’99ボスジャンを着るのは、“日本の総大将”スペシャルウィーク。初のダウン製の’01ボスジャンを着るのは、“漆黒の幻影”マンハッタンカフェ。限定モデルのデニム生地の’03ボスジャンを着るのは、“大器の英雄”ゼンノロブロイ。背中のロゴが金色に輝く’05ボスジャンは、“ワガママ魔法少女”スイープトウショウ。特別仕様のダウン製の’13ボスジャンは、“破天荒”ゴールドシップ。そしてBOSS25周年に登場した’17ボスジャンは、“お祭り娘”キタサンブラック。これらのBOSS×ウマ娘オリジナルデザインを描き起こしたQUOカードやクリアファイル、キーホルダーなど、複数の景品を用意しているので、キャンペーンに是非参加していただけたら幸いだ。以上が私のウマ娘への愛とその魅力、コラボに至るまでの経緯だ。語りたいことを一つ挙げると、別の語りたいことが次々に浮かぶので、飛ばしすぎて、掛かってしまって、申し訳ありませんでした。なにせ私にとってウマ娘は、大好きのタカラバコ。なくてはならない存在だから……。仕事が忙しい人。家事や育児で大変な人。人間関係に疲れた人。人生を駆け抜ける全ての人に、缶コーヒーを片手にウマ娘で息抜きをして、ひとときの安らぎを味わってもらいたい。そして私が決意の直滑降で立ち上げたキャンペーンに参加していただくことで、一人でも多くの働く人に楽しさを感じてもらいたい。世の中には理不尽なこと、嫌なこと、辛いことも多いけど、BOSSとウマ娘は常に働くあなたの相棒であることを、どうか忘れないでいただきたい。そしてどんな時も、共に走り、駆け抜けていこう。このたびは長文、失礼しました。最後に改めて、私に最高の景色を見せてくれた「ウマ娘 プリティーダービー」に、感謝を述べさせてください。2021年のあの日、街中、電車の中、ありとあらゆる場所で、ウマ娘に没頭している人々を目の当たりにしなかったら、この1年あまりの私の生活は、これほどまでに彩りに溢れていなかったはずです。広々としたターフを激走するウマ娘たちを、初めて見た時の衝撃。心躍るオープニング画面を経て始まった「URAファイナルズ決勝」のムービーと、ウイニングライブへの驚き。ダイワスカーレットを育成したチュートリアルと、初めて自分で育成したウオッカが、腕を上げて走る姿。因子の配分を変え、サポカの配分を変え、継承ウマ娘の組み合わせを変え何度も試行した時間と、「こんなにやっているのに全然報われねーな……」と思った矢先に、完璧に近い仕上がりの育成ができた時の達成感。次々と出るメインストーリーやストーリーイベントに胸を躍らせる日々。アオハル杯編、そしてクライマックス編という、新たな育成シナリオを目の当たりにした時のワクワク。「私は私だけの強さを手に入れる。それだけで十分でしょう?」と宣言するキングヘイローの勇姿。「ライスだって……勝ちたいっ!」と叫ぶライスシャワーの懸命さ。チャンピオンズミーティング、バッキバキに強そうなウマ娘が並ぶ中で1着を獲った、ゴールドシップのドロップキックのスクリーンショット。そして、ハーフアニバーサリーや1周年を、トレーナーたちと共に祝えた喜び。それら全てが今、私の脳内で走馬灯のように駆け巡っています。今となってはウマ娘を育成しない生活や、ウマ娘のことを考えない生活など、自分でも想像できません。この奇跡の出会いに感謝しながら、私はこれからも、Never Looking Back そう決して振り向かず、夢の先にまた夢があるんだとワクワクしながら、プレイしつづけます。ウマ娘、ありがとう!!!ウマ娘、大好きだ!!!!!ウマ娘よ、これからも永遠に!!!!!!!!
担当者が個人的に好きすぎて、今年のBOSSはウマ娘コラボ!
NO.2023200
広告主 | サントリー |
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受賞 | |
業種 | 食品・飲料 |
媒体 | 新聞 |
コピーライター | 神里元 小野麻利江 |
掲載年度 | 2023年 |
掲載ページ | 319 |