血が騒ぐ!
実はおやじはヤクザだった。
正確にいうとヤクザをしていたことがあった。
戦後復員してから商売があたり、京都の先斗町あたりでは、ターサンと言えばそれは有名なお大尽だったらしい。
が、それもつかの間、連帯保証人になったばかりに、敢え無く破産。お定まりの夜逃げを繰り返し、博打にも手を出した。
その打ち方がアッパレだったので、ある組の親分に認められ、杯を受けることになる。ターサンがヤーサンになったのだ。
昨年のことだ。京都のおばちゃんが私の顔をしげしげと見つめ「あんた、お父ちゃんにそっくりやわ。」そう言われて嬉しくないはずはない。
それからだ、「今やからいうけど、お父ちゃんヤクザやってはったんや。」
「プレゼンは博打みたいなものだから。」そうのたまう営業に、いや違う!プレゼンは博打じゃない。必ず勝つ法則がある、それを見つけ出すことが我々の仕事だ、と声を荒げたことがある。
中堅代理店の性か、まぎれもなくプレが多い。おかげでプレゼンはだいぶうまくなった。うまくなった分だけ勝率も高い。
しかし、勝率は確かに高いが、クリエイティブに面白さが欠ける。と、自分でも思うようになってきている。
それを相談した先輩に「石橋を叩いて渡るのもいい。しかしさ、のるかそるか、エエイとばかりに博打を打ってみるのもいいよね。」
最近、「博打」に凝っている。
血は争わないほうがいいようだ。
0084 | 1999.11.19 | 回転寿司でコピーをひとつ |
0083 | 1999.11.18 | 福沢諭吉さん恵 |
0082 | 1999.11.17 | 宗谷本線に乗って |
0081 | 1999.11.16 | 血が騒ぐ! |
0080 | 1999.11.15 | あの頃、君は強かった。 |