ピンチヒッターです
今週このコーナーに書き込みをするのは、
私がおっさんと呼ぶところの中山幸雄のはずだった。
ところが昨日の昼、彼は気弱な目で私を見上げ
「ご面倒の上にご面倒をかけて申し訳ないが・・・」という
前置きでピンチヒッターを依頼したのである。
であるからして、私としては本人に固く口止めはされている
けれども中山幸雄が書けなくなった理由を書きたいと思う。
中山幸雄<以下おっさんと呼ぶ>は、先週の火曜日に
バンコクから帰国し、木曜日に健康診断を受けた。
バリウムを飲み、当然ながら下剤をのんだ。
さてそれからである。下痢が止まらなくなったらしいのだ。
それでも金曜と土曜は人並みの生活を営んでいたようだが
日曜に至ってついに起きられなくなってしまった。
そのとき初めて私は容態を聞き、私なりに判断したことが
あるのだが、本人は大真面目で赤痢の心配までしている。
そんな心配があるなら妻を巻き添えにせずにさっさと
入院してもらいたいがそこまで気のきく男ではない。
ここで、我々の会話を紹介してみると
「それでどんな具合なわけ?」
「ウンコが水なんだよ。いつもバリウム飲むと白い水の
ウンコが出てしばらく調子悪いんだけどさ」
「白い水だと?」
「毎年白い水のウンコがでて、胃の調子も悪くなるけど
今年は長引くのがおかしい」
「胃の調子ねえ」
「なんか、おかしいんだよ」
「あんた、そのわりに酒も飲んでたし私より食べてたっけ」
「赤痢かなあ」
お察しのことと思うが、これが赤痢であるわけがない。
おっさんは健康な状態でも下痢っぽい奴である。
しかもバリウムの下剤は強いと聞く。
そもそも下剤のいらない奴が外国で慣れないものをさんざん
食べて帰った後に強力な下剤を飲んだのだから
ひとたまりもなかったに違いない。
日曜日は絶食していたおっさんだが、
夕方になると自分でリンゴをむいて食べていた。
その様子を見て数時間後にタマゴとゴマ油入りのオカユを
作ってやったらえらい大量に食べた。
その時点で胃は何ともなく下剤の効き過ぎだと私は判断して
いたのだが
今朝、私の知らないうちにおっさんは会社へ電話をかけ
「いつ出社できるかわかりません」
と、大袈裟なことを発表してしまった。
そんなわけで、おっさんは家にいる。
家にはパソコンがないから
このホームページに書き込むことができない。
しかたないので私が書いている。
申し訳ないがそういうことなのだ。
本人は今朝自転車に乗って元気に医者に行き、
薬ももらわずに帰ってきた。
タイから帰った人はたいがい下痢をする上に、
強力な下剤を飲んだせいだと医者に言われたそうだ。
私と医者の言うことがどうして同じなんだろうと
不思議がっているが通常の観察力があれば誰でもわかる。
そもそもバリウムを飲んだ後のウンコが水だというのが
おかしいと思わないだろうか。
私はバリウムなど飲んだことはないが、人の話を聞くと
白くて固いウンコだという。
おっさんは何年も白い水を排せつする暇に
下剤を弱いものに変えるよう訴えるべきだったのだ。
もし、これを読んでくださった人の中に
中山幸雄病休の知らせを受けたかたがいらっしゃったなら、
どうぞご心配なく。
中山幸雄はそんなわけで元気です。
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