最終話:コピーライターがいる職場風景
髙澤峰之
高澤担当の最後のコラムは、TCCのコラムらしく、私自身と
コピーライターという仕事の関わりのような話にいたします。
広告界に興味があってここへアクセスされた方々には、
“それっぽい話”が最後の日まで出なくてごめんなさい。
でも、この週は当初から、広告から離れたところから話し始める
コラムにしてみたかったので、ご容赦ください。
えー、そもそも、大学4年生の時にふと思い立って
この業界を志すことにしました。
たしか、TCC 20周年の年と前後した頃でした。
あまりに「ふと思い立った」ことだったので、
何の準備もなく、当然なんのキャリアもないので、
夏休み頃からあわてて宣伝会議の養成講座を、しかも通信講座で
受け始め、それをもって就職試験の場で「一応勉強しています」
と言えるヨリドコロにしたものです。
(今から考えても、えらい付け焼き刃でした)
マスコミ就職読本のような本を買って、どこにどのような
会社があるのか調べ、総数20近くのプロダクションや
代理店を受験し、端からことごとく落ちていました。
大学の教務課は(私は理系専門として知られる学校の
電気電子工学科にいたんですが)
「なんで、そんな(理系と関係のない)ところに就職するんや」
と白い目で見ていたものの、12月になっても就職先の決まらない
私に「いざとなったらどこでも推薦するから、言ってきたまえ」
と暖かい言葉をかけてくれたものでした。
結果的に12月の半ばも相当過ぎた頃にあるプロダクションから
合格通知がきて、コピーライターとして就職できたのですが、
これがなによりの幸いでした。
(でなかったら今頃私はコンビニの雇われ店長などしてたかも)
その後、私はそのプロダクションを3年で退社し、
すぐサン・アドという会社に移ります。
今も、そのサン・アドに居るので、私はフリーの経験もなければ
代理店の制作局にいた経験もありません。
プロダクション勤務、オンリー。
┌──────────────────────────┐
|このコラムは就職希望の(学生の)方もご覧になる、 │
|と聞いたので蛇足ながらの補足をしますと。 │
|広告制作部門だけでなく、新聞・雑誌・ポスター掲示の │
|紙面スペースや、TV・ラジオのオンエア時間スペース │
|など「媒体」を扱う業務をも手がけているのが │
|代理店という業態。 │
|それに対して、制作専門の会社がプロダクション、 │
|ということになります。 |
|(なんて書いてしまってからよく見たら、 │
| このHPの掲示板で、同じ解説がすでに以前 |
| 出されていたんですね。いや恐縮) │
└──────────────────────────┘
同じコピーライターという職業でも、会社によっていろいろ
実際の生活パターン/仕事パターンは異なるかな、とは
思います。colum No.108〜112の、中山さんのコラムでは、
規模の大きな代理店さんの様子が記されていましたが、
全社員50〜60名程度の、まあ、中(小?)規模のプロダクションで
あるサン・アドは、また違う職場環境であるように思われます。
それは、至極当然なことではありますね。
サン・アドの「全社員50〜60名」というのは、
総務部も、営業部も、映像部(CFプロデューサーや
プロダクションマネージャーが所属)も、
写真部(カメラマンが所属)も、
演出部(CFディレクターが所属)も、
デザイン部(Grのアートディレクター&デザイナーが所属)も、
そしてコピー部(コピーライターが所属。ここに私もいる)も、
すべてひっくるめた人数です。
(注:各部署の名称は正式名じゃないし、
上記以外の部署もあります)
コピー部は現在9名(1月初旬時点)。
って改めて書くと我ながら少ないような気がします。
この人数で、グラフィック広告もTVCFも含め、
コピーが関わる仕事すべてに対応します。
どのコピーライターが、
どのアートディレクターと組むかとか、
どのプロデューサーと組むかとか、かつて
固定のチーム制になっていた時代もありましたが、
いまは、そうしたことはありません。仕事が発生し、
その仕事の内容に応じて、スタッフが組まれます。
社内の人間とばかりでなく、代理店のスタッフの方と
組んで仕事をすることも少なからずあります。
けっこう“ゆるい”システムかもしれませんが、
いまはそれで、会社的に機能しているようです。
長らく腰を落ち着けてしまったせいか、
私は、ここの職場環境は、すこぶる気に入っています。
私がいる会社の広告制作システムについて、もう少し話を
ススめようかとも思いましたが、気がつくと行数が
だらだら100行近い長大文になってしまっているので、
恒例の尻切れトンボでいきなり終えてしまいます。
次週は私の隣の席に座っている、つまり同じコピー部所属の
コピーライター、李さんにバトンタッチしたいと思います。
弊社の職場環境の話は李さんが続けてくれるかもしれません。
そうじゃないかもしれないけど。(無責任です、ごめんなさい)
今週一週間、ここまで読んでくださって
大変ありがとうございました。
では、さようなら。
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