コピー部の人たち(3)
第3回は、コピー部のソムリエ、桑原圭男。
日本のコピーライターの中で、桑原さんほどワインを味わってる人は、そう多くはいないだろう。
桑原さんは十数年、酒造メーカーS社のワインの仕事に携わっていて、私も一昨年の秋から一緒にやるようになったが、まずテイスティングの多さにびっくりした。
ワインの特徴は味わってみないとわからない、というわけで、とにかくテイスティングしまくるのである。
昨年12月だけでも、述べ5日間かけて、およそ150本ほどのテイスティングをこなした。
ワインは飲み込まず、鼻と舌で香りや味を感じとったあと全部吐き捨てるのだが、それでも終わりごろには、酔いが回ってふらふらになっている。タンニンのせいで歯も真っ黒になる。
こんな壮絶なテイスティングを、もう十何年もこなしてきている桑原さんは、ほんとに立派だなあ、と私はつくづく感心する。
だってここだけの話、桑原さんって、ほんとはお酒、全然飲めないんだよ。