思い出のピンナップ・ガール?
黒須治
思い出のピンナップ・ガール?
「笑うな、走るな、手を振るな。」
思い出のピンナップ・ガールというタイトルですこし思い出話をさせてください。ガールというのはちょつとしたフックで、すみません、正しくはピンナップ・ワードです。つまり、その昔ライターになり立てだった私の机の正面に貼っあった言葉たち。でも、当時のアグネスラムや宮崎美子ちゃんのようにいつもそばにあって励ましてくれたり慰めてくれたという感謝の念を込めて、ここでは「ピンナップ・ガール」とさせてください。
で、本題なんですが。もう20年以上も前の広告関係の雑誌に「笑うな、走るな、手を振るな。」という文章が載っていたんです。そのこころは、広告で人の好意をとりたいときにたとえばアイドルの笑顔を海で撮影したり、浜辺を走らせたり、おまけに手を振らせたりする、そういうことはやめたほうがいいんじゃないか、広告の質を下げてしまうんじゃないか、という警鐘だったとおもいます。
当時それこそ駆け出しだった私はこの言葉にしびれて、以降もテッテテキにアイドルモノとか笑顔ものが苦手になってしまいました。でも。最近TVを見ていると訳も無く愛想を売っているタレント広告なんかが多くて。つい、20年前の言葉を思い出してしまうんです。広告というのは何をやる、というのもありますが“何をやらないか”も、ものすごく大切な気がします。
「笑うな、走るな、手を振るな。」は土屋耕一さんの言葉です。
(この項、以上)
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