リレーコラムについて

趣味と広告/クルマ篇

廣澤康正

さて、今日ご紹介する僕の趣味はクルマです。そりゃもう、クルマは好き。だけど遍歴としてはそんなに乗ってる方じゃないです。なにしろ一度決めちゃうと、ず〜っとそれ。前のクルマには17万キロ乗りました。それはベンツの190Eで、購入当時の僕にはとても高い買い物だったから勇気が要ったのですが、9年間を1台で乗り切ったんだからモトは取ったと思うな。5年でローンは終わったし、あとはラクチンでした。結論としては、190Eはつくづく名車です。最初に乗ったときに、「あ、クルマってこういうことなのか」と思わせてくれましたし、その後もクルマについて考えたときに、答えをいろいろ教えてくれました。そして僕のクルマ観のど真ん中に、この190Eがいてダイムラーベンツ(今はダイムラー・クライスラー)社があります。

それで、この趣味と仕事はどう関わったのかと言いますとですね。僕のコピーライターとしての経歴の中で、クルマの仕事はとても大きなパートを占めてるんです。僕がかつてプロダクションから代理店に移った時も当初は某自動車会社担当として入社しましたし、フリーになってから現在に至るまで、クルマの仕事がなかった年はありません。TCCの新人賞も、ボルボの仕事でした。ちなみに関わったことがある自動車会社を記憶の限りに書いてみると、いすゞ、日産、メルセデス、アウディ、ボルボ、BMW、ローバー、三菱・・・って感じですか?いやぁ、けっこう支えられてますよねぇ。

最初はただクルマが好きって言ってただけで、別にクルマの広告が好きなわけじゃ無かったんだけど、いつのまにか仕事が増えてました。メカニカルな部分もある程度は書けたので、カタログの仕事もよくやったなぁ。同時進行で5冊のカタログを書いた時は、眠かったです。

そんな僕が、2年くらい前に三菱自動車の企業広告に関わらせていただきました。それは新聞媒体だったのですが、これからはもっと長く乗れるいいクルマをつくるんだという企業姿勢を示したところ、驚いたのはその反応。掲載の翌日から1週間くらいの間に、ファックスやハガキ、封書でのお手紙などで、賛成意見やお叱りの意見やらが山のように届いたんですね。消費者の方がそんなにダイレクトに反応してくれた経験は初めてだったので、その手紙のファイルは、今でも大事に持っています。

確かに僕はクルマ好きだけど、それはちっとも楽観的なものではないです。これからの社会のこととか考えると、遊びのクルマはそろそろ終わりな気がしてます。もう昔みたいにクルマがステイタスだったりすることは無いし、生活に夢を与えてくれることも無いかな、と。ただちょっと役に立ってくれればいいんじゃないの?なんて思ってます。

それでね。僕は遊びのクルマはもう、細々と生きるだけだなと思っていて、自分としてはその最後のところをちょっと味わいたいなと思って、今はスポーツタイプのクルマで毎日ビューンと走ってます。ああ、楽しい。それじゃ、今日はここまで。

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