冒険その1・ストーKING
吉岡虎太郎
ストーキングって楽しいよね!?
大学2年の時にさ、「サイバーパンクアメリカ」って本を読んだんだ。SFマニアの若い学者がSF作家を追いかけてアメリカ中をかけめぐるっていうドキュメントなんだけど、面白くて半日で読みきった。そんで、大学の掲示板行ったら、その作者うちの大学で教えてたんだ。
とーぜん出たよ、そのクラス。アメリカ文学史を1年かけて追体験しちゃおうみたいなノリで、メルヴィルの「白鯨」からエリクソンの「黒い時計の旅」まで、読み方のアングルをマシンガントークで聞かされるんだ。とにかく楽しかったので、その先生の書いたコラムから論文までほとんど漁って読んだ。(最後までそのクラス出たの、たったの2人だったけどね、トホホ)
で、夏休みにその先生の奥さんが翻訳した「サイボーグフェミニズム」つー本でレポート出したらA+もらって仲良くなって、いっしょにいろんなとこ連れってってもらうようになった。
その先生とは全然むずかしい話なんかしたわけじゃなくて、アレ読んだコレ観たソレ行ったコレ聴いたどーだったこーっだったあのコかわいーねナンカちょーだい、とかってことばっか喋ってたんだけど、ずいぶんいろんなことを教えてもらった。浅田彰とお茶したり、高山宏に怒られたり、佐藤良明にたしなめられたり、西垣通にささやかれたりもして、(みんなちょっと変わった学者さんたち)興味持ってた人たちと半年くらいのあっという間にお目通りさせてもらった。
それって、ちょっとした人生のショートカット。楽しかったよー、おかげで今でも本を持ち歩く癖が治んないし、たまにその人たちが書いたものを追いかけたりもする。別にメール送ったりまではしないけどね。
ところで、ぼくはものごと全般に対してこういうところがある。とにかく、突っ込んじゃう。思えば、子供の頃の超合金からはじまって、最近はレイヴ(野外のダンスパーティーね)にこってる。ある意味、ストーカーチック。昔、谷山雅計さんが自分のことを「社交的なおたく」と言ってたけれど、ぼくは「よく笑うストーカー」かな。(イマイチ?)
上手なストーキングのコツは3つ。「とにかく調査、ビビらない、いっぱい笑う」あ、あと死んだ婆ちゃんは「他人様にだけは迷惑をかけちゃいけん」と言ってました。
さて、きみもストーカーにならないか?対象は、たぶんなんでもいいはずだ。基準は脳みその気持ちよさ。ドーパミンどくどく出して追いかけろ。今はインターネットがあるからお金も時間もかからない。
というわけで本日のテキスト。巽孝之著「メタファーは殺される」(松柏社/2700円+税)page272〜「知的ストーカーのすすめ」今日書いたようなことがもっと実践的にマニュアル化されています。是非、立ち読みでもしてください。(ちなみにポールボウルズに会いにタンジールまで行ったの、ぼくでーす。バカね)
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