長3

今日は会社の社長、細谷さんの話をします。
私が細谷さんに初めて会ったのはライトの最終面接の時でした。
社長室に呼ばれた瞬間、緊張メーター振り切り状態。
覚悟をきめソファーに座ると、細谷さんが真剣な面持ちで
履歴書に目を通しておられました。長い沈黙。やがて、
おもむろに顔をあげ私を見るなり真顔でこう言いました。
「あなたさあ、写真と顔が違うじゃないよ。」
「・・・・・・はい？」
「この写真さ、ちょっと修正しすぎじゃないの？してるよねえ？」
「・・・ごめんなさい。」つい謝る私。
「伊勢丹の写真館で撮りました。」
そして「ぜったいに長体かけてるよねえ。長２、いや長３だな！」
と言うと隣の副社長と楽しげにゲラゲラと笑っておられました。
その時は言葉の意味がわからず「そうですよね」などと言いながら
いっしょにヘラヘラ笑いましたが、後で意味を知って、けっこう
ムッとしました。長３って。
後日、細谷さんがバーに連れていってくれた時に、なんとなく
そのことを話題にしてみました。すると、
「え！そんなこと言ってないよ。言ってないじゃない。
でたらめ言わないでよ、やめてよ。迷惑だよ！」
と、猛烈に逆ギレされました。

いえ、そんな話を持ちだした私が悪いのです。