リレーコラムについて

サイパンから・・・

横川謙司

今週のリレーコラムは、GWらしく
ハイアットリージェンシー・サイパンの2201号室から
お届けします。(ほんとは都内某所の22nd Floor・・・)

コピーライターって、小さなことやどうでもよいことに
感動するのがうまい。大きなことに感動するのはみんなが
やってることだけど、立ち止まってみないとわからない
ような、路傍の小さな花にしばしばオドロキ、感動し、
はたまた涙する。

それらは先方への取材で聞いた話だったり、
街の中の普通のおばさんやお姉さんのつぶやきだったりする。
(電車の中では、突然メモ帳を取り出しなにやら
 書きなぐったりするので、訝しげな視線を感じることも
 ままある)

ある女子高生は、東西線が九段下駅を出たところで
おもむろに友達に向かって「ねぇ、武道館のてっぺんの
タマネギでカレー何人分作れるかなぁ」と言った。新幹線の
車内では、四十肩やら体力低下について討論していた出張と
思しきオッサンが、「オレ、耳は3.0なんだ」と言い放った。
空港カウンターで発券係のお姉さんに「あいにく、翼の上に
なりますが・・・」と宣告されたビジネスマンは「寒そうなので
機内にしてください」と切り返し、お姉さんをさらに低温の
空気で包んでいた。さる著名クリエーターの奥様が、賀茂川
の堰に藻が生えたのを、「賀茂川も大人になったんやねぇ」
と言った話はつとに有名である。

街の人々は、事程左様に面白い。
これがそのままコピーになって、仕事が右から左へ流れて
ゆけばこれほどラクな稼業もないのであるが、実際はそうも
行かないのでどんな仕事が来てもいいように、
使えそうなネタを常日頃から貯めておくことになる。

いずれにしても、コピーライティングというものは、
書き倦んじたりするようなものではなく、そこいら中に
転がっているネタをどう拝借してくるか、なんだと思う。
もちろん、誰も知らない新しいWordを創造する人もないわけ
ではないけど、いろんな人の言葉に耳を傾け書き取って
置くのは、辛い作業ではない。
そんな事を考えながら今日もコピーを書いています。

ああ、
それにしても全然サイパンからお届けしてる感じが
出ないなぁ・・・
気温だけは熱帯並の某オフィスからお届けしました。

では、また明晩。
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角田さんは、私にどこへも行かずリレーコラム執筆に専念できる
ようにとGW明けプレゼンのお仕事を下さったのか。
愛なのか、これは。

横川謙司の過去のコラム一覧

0401 2001.05.04 Restart:
0400 2001.05.03 途方途轍
0399 2001.05.02 単一言語惑星
0398 2001.05.01 言葉の獲得
0397 2001.05.01 サイパンから・・・
NO
年月日
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5805 2024.11.22 中川英明 エキセントリック師匠
5804 2024.11.21 中川英明 いいんですか、やなせ先生
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