にしきのあきら
さて、昨日の続きです。
コピーの通信講座を始めるや、私はいますぐ
コピーライターというものになりたくなりました。
ブレーンとか宣伝会議とかコマフォトとかで
募集広告を見ると、みんな経験者募集なんですね。
それでもかまわず手当たりしだい応募しました。
一社だけ、実技試験を受けに来い、と返事がきました。
行く、行く、行く、行くわよ。
実技試験、まず問題の意味がわからない。
ラフって、何なの?
お隣を見ると、絵らしきものを書いている。
ハハーン。
試験官はロン毛のアンちゃんでした。
にしきのあきらをグーンと細くして、
思いっきり頼り無く したような。
バイトで試験官にやとわれてるんだわ、と私は思いました。
帰りがけ、「結果はいつでるんですか?」と
ガリガリのにしきのあきらに聞くと、
「ふん、生意気なヤツ」ってカオをしました。
「ふん、バイトのくせして」と私は心の中で言いました。
まったく不思議なことですが、私は実技試験に受かり、
面接試験のお呼びがかかりました。
こうなったら入るわよ、絶対入るわよ。
面接試験に行ったら、目の前に座ったのは、
にしきのあきら でした。
この業界、わからん。
なぜ、バイト君がクリエイティブディレクターなの?
私は、リッパな経験者コピーライターの
オマケとして、めでたく採用されました。
本命のコピーライター氏は直前にその会社をふり、
入ってきませんでした。
その会社は、ナショナル宣伝研究所といいます。
(いまはクリエイターズグループMACという名前です)
ちなみに、にしきのあきらは、
それから十数年後、ストライクという会社を一緒につくった
うちのボスです。
いまは、にしきのあきら とは、まーったく別ものです。
(昭和45年度の朝日広告賞の作品集の写真を見てください。
スター!!!ってキメのポーズが、時代を感じさせます。)