あるコピーライターの話:5
ところでコピーライター(の男)は、女性にモテる仕事なのかどうか?意見が分かれるところだと思います。でも僕の周りを見てみると、少なくとも、モテたいと思っている人たちが多い職業であることは間違いないようです。
で、コラム最終日の今日も、そんな僕の友人の、あるコピーライターの話。彼は既婚者ですが、女性と一緒に食事や飲みに行くのが大好きな男です。けっして悪い男というわけではありませんが、はっきり言って、女性が大好き。そんな彼が、ずっと気になっていた女性を、やっとのことでデートに誘い出した時のことです。彼女は、あるイラストレーターの事務所でデスクの仕事をしていたとてもキレイなコで、その僕の友人よりかなり年下だと聞きました。待ちあわせの場所に現れた彼女は、お店も自分が予約してあると言ったそうです。思わず喜ぶ彼。彼女に案内されて、素敵な和食屋さんのカウンターに座りました。かなりいい雰囲気。ところがそこで彼女の反対隣の席に座っている一人の男の、ビックリした視線に気づいたそうです。そこにいたのは何と彼の中学時代からの古い友人で、フリーのカメラマンとして活躍中の男。よりによって、せっかくのデートに、こんな残念な偶然があるのかよ?!と、そのコピーライターは嘆いたそうです。偶然会った友人のカメラマンには悪いけれど、その場ですぐにお店も変えようかと思ったくらいだったそうです。でも、それは偶然なんかじゃなかったんです。ぜんぶ彼女の仕業だったんです。実は、そのカメラマンも同じコを狙っていて、彼女から同じ日の同じ時間にデートの約束を取りつけ、そのお店に呼ばれていたというわけ。バカな男二人が、ずっと年下の女性に遊ばれてしまったんですね。ああ大笑い。三人での不思議なデートの後、彼はその友人のカメラマンと朝まで、久しぶりの悪酔いをしたそうです。高校時代、二人で一緒に授業をサボって、近くの女子高の体育祭を観に行った日のことなどを懐かしく思い出しながら。
僕のコラムも今日までです。最後に、ひとつ、お詫びを。五日間、僕の友人の、あるコピーライターの話だなんて書き続けてきましたが、これ本当は、ぜんぶ自分の話でした。とぼけたまま終わろうと思っていたのですが、「あれ、誰の話よ?」なんて聞かれて困っちゃいましたので・・・みんな僕自身の実話でした。花形職業の華麗なる毎日でも何でもなくて、ゴメンナサイ。でも、これはこれで、けっこう楽しい毎日なんですよ。
さて来週は、今年TCCの新人賞を受賞された、読売広告社の鵜澤敏行さんの登場です。もう13年くらい前になるのかな?岩永嘉弘さんの事務所でのアシスタント時代に机を並べていた時からの長い付き合いになる、男前のサーファーです。それじゃあ鵜澤、来週は頼んだぞ。ぜんぜん売れなかった『ゴルフ饅頭』とかを開発したステキな親父さんの話など、たっぷり聞かせてやってくれ!
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