コピーの鉱脈
恩返しがしたい、とつぶやく。
なんにもなかった若いおれに
チャンスを与えてくれたTCCに恩返しがしたい。
だから、やっぱり、
若いひとがチャンスをもてる場にしたいんだよね、TCCは。
と、いじょう、仲畑さんのことば。
そうなんだっ!しんけんに思いがあるんだ!師匠は。
幹事やることにしたのよ、おれっ。
とハリきってた頃だから、一年くらい前だったのかな。
そういえば、半年前には、こんなことも。
「コイズミ、おまえ、コピー、どやって書いてるの?」
「なっ、なに言ってるんですか。こっちが教えてほしいですっ」
「おれ、昔はこんなに
(両手を上下にはさみながら)書いてたのよ。
で、もっとええのできるって、
また書いて・・・。
今、あかんなあ。なんでやろなあ。どしてかなあ」
「だって、それは、
仲畑さんたちが掘っちゃったじゃないですか、鉱脈」
「いや。おれはまだあると思うのよ、どっかに、鉱脈」
「・・・・」
こんなふうに、師匠は
まだブンブンいってる。ぐりぐりやろうとしてる。
こころのどっかで、こんなものなんかなあと
ズリズリしてた自分が恥ずかしー。
しゅーっとためいき、ついてたら、
もはや師匠は、前のめりになって、
ダーッと、どこかへ駆けだしていました。