初公開!高藤のアイデア帳 5
高藤晴透
こんにちは。いよいよ今日で最終回となりました。最後は、アイデア帳から僕の珍体験談をもうひとつ紹介したいと思います。これもかなりありえないシチュエーションでしたよ。
【想像してみてください。パート3】
私は、こんな光景を目にしたことがあります。場所は、全国にチェーン展開しているある居酒屋さん。4人がけのテーブルに、中近東の人らしき外国人が4人。彼らは、4人とも生ビールをおいしそうに飲んでいる。そしてなぜか,4人とも自分の前に、ほっけを置いていたのである。つまり、一人ひとつほっけを注文しているのだ。外国人4人に、4杯の生ビール、そして4皿のほっけ。たぶん店員も、その注文に自らの耳をうたがったであろうことは容易に想像がつく。しかも、つまみはほっけ以外にはなにもなかった。でも、彼らはこれ以上ない幸せを手に入れたみたいに曇りのない笑顔で、自分のほっけを箸で器用に口に運ぶのであった。
これで僕のアイデア帳公開は終了します。
一週間、楽しんでいただけたでしょうか?
読んでくれたみなさん。本当に本当にありがとうございました。
(と、最後にひとこと。)
ある人はこんなことを言います。「忘れるくらいなら、たいした事じゃないんだよ。」と。でも僕は、違うと思うのです。人はすぐに忘れます。きれいなお姉さんを見ただけで、おいしいにおいを嗅いだだけで、ポンと忘れてしまうものです。忘れてしまえば、どんなにすばらしいアイデアだったとしても、思いつかなかったのと同じなのです。コピーライターなどのアイデアでお金をもらっている人は特に、メモをせずアイデアを忘れてしまうことで、人生まで変わってしまうこともあるかもしれません。TCC年鑑2001にも書きましたが、僕が新人賞をいただいた作品のアイデアは、風呂の中で生まれました。もちろん、ビショビショのまま、ダッシュでアイデア帳に走って書きなぐりました。もしあの時、あのまま風呂に入っていたら、あの作品は生まれていなかったかもしれません。そして、このコラムも書いていなかったかもしれませんよね。さあ今日から、コピーライターを目指す人も、そうでない人も、頭に浮かんだことを、なんでもメモしてみませんか?そのメモが、いつかきっと役に立つ日がくると思うし、何年か後にそれを読み返すと、ちょっと幸せな気分になれたりするものですよ。でもくれぐれも、道端でメモするときは怪しまれないように気をつけてくださいね。
来週は、昨年同期でTCC新人賞を受賞した
望月和人さんの登場です。
彼のコピー、僕はすっごく好きなんですよね。
みなさんご期待ください。
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