TCC新人賞について?
TCC新人賞は、クリエイティブに異動して4年目に旺文社の英語参考書のコピーで受賞することができました。1、2年目は応募したものの、まるでダメで3年目に何とかノミネートまで行きました。ちなみにその時のコピーは、ゴールドパックという東急グループ系の飲料会社で、商品は安曇野産のトマトとりんご100%のジュースでした。内容的には、全面にキャッチとボディーコピーをメインにあつかったビジュアルで安曇野の産地特性を表現しました。媒体は、雑誌見開きカラー2ページの5回シリーズです。キャッチコピーは、?「安曇野100%」?「雨が少ない、という恵み。」?「昼は、夏。夜は、秋。」?「地下に、降る雪。」?「夏も、冬も、水は春。」です。アートディレクションは元サンアドで現在ウールという会社の山田正一さんにやって頂いて、広告としては誠実で品のある感じになったのですが、結局ノミネートどまりでした。で、何でだろうと自分なりに分析したのですが、結論としては広告としてまとまりが良くクライアントも喜ばれていたのですが、原稿を見返して感じたのが、書き方が少し“たてまえモード”になっていたと思いました。レトリックはしているものの、書き方が客観的過ぎてボク個人の気持ちの入り方が足りない感じがしました。冷静に考えると非常に出稿量も少なかったので、もっと強く印象深くメッセージを伝えることができる表現にした方が広告として誠実だったなと後悔しました。で、出稿量が少ない広告の中で自分自身が引っかかる広告を分析してみたのですが、そこでの結論は、やはりパッと見た時にその広告の背後に誰か作り手のたくらみや視点がうっすらと感じるものが多いことに気づきました。誰かに呼びとめられる感覚と言いますか。出稿量の多い大きめのキャンペーンのコピーを書くときは、また違うニュアンスで書くべきだと思いますが、少なくとも出稿量の少ない広告は、表現でインパクトや印象度を上げるしかないと思いました。そうなると、前述のボクの書いたゴールドパックのコピーには、個人の視点が希薄で、もうひとつメッセージの浸透度が弱いことに気づきました。そして、次の年の旺文社の仕事では、この時の後悔を教訓にしました。
(明日のコラムに、つづきます。)
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