リレーコラムについて

太極拳体験記(つづき)

広瀬純子

太極拳というと、どんなイメージを持っていますか?
早朝の公園で老人たちが集まって何やらゆっくりとした動きをしている。とこんなところではないでしょうか?もちろん私もそう思っていました。そこで、初体験記。

そこには、約15人ぐらいの人が裸足になっていました。年齢分布は、ご年輩の方が約10人。見るからに若いと思われる人が5人ぐらいでした。(私自身は若い方にカウントしています。イイジャナイカ!)ウエアーは、みんなTシャツにロングパンツといったところ。私もまねをして裸足になって始まるのを待ちました。そこで、今までその場の風景になじんでいて全く目立っていなかった熟年の男性がふいにオーディオをいじり始めたのです。あ、この人が先生なんだ!電車の中で会ってもわかんないなー。(失礼!)武道家に見えないなー。(失礼パート2!)でも背筋はピンとしてるぜベイビー、という感じです。

ところがところが、ウォーミングアップを経て太極拳の例の動きを始めると、あらまあ、先生素敵!TVで見たことのある動き!それよ、それ!決まってるわ、あなた!と最初のイメージをあわてて修正したのです。かっこいいのよ。一方私は、見よう見まねで似たような動きをしているのですが、どこかヘン。これでいいのか?正しいのか?とたくさんのクエスチョンマークを身にまといながら約3分間の演技(?)を終えました。その後、先生から説明。どうやら今動いた中には8つの型(式というらしい)が入っていて、目の前の相手の動きを封じたり、急所を攻めていたりしていたらしい。例えば、ただ腕を伸ばしているのではなく、右手で相手の手首をつかんで、左手で喉元を打つというようなこと。そうだったのか!ひととおり説明を聞いて、実際に隣の人と組み手をして、再び最初とまったく同じ演技をしたら、まあ不思議。ポーズが決まる。さっきまで見えなかった相手が見える。やってて気持いい。と世界が一変したのです。

で、結論。(注:まったくの初心者の感想ですからこれが正解じゃないかもしれません)太極拳というのはイメージ力が鍵だと思いました。目の前に、自分と同じ身長、体重、体つきの敵がいて、その人のからだをいかに正確に想像できるか。つまり、具体的な腕の長さや関節の位置、首の高さなどを頭に描けるかどうかが楽しむ秘けつだと思います。その気になるってことがいいみたい。

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