息子のいる食卓で・
鈴木武人
高2の息子がいる。
このくらいの年頃ともなると、当然父親と
しょっちゅうコミュニケーションがあるという訳にはいかない。
しかも、その状態は、中2くらいからすでにそうなのである。
高2の息子ともなれば、意見したいことは山ほどある。
時には、父の存在感を見せつけねば、との思いにも駆られる。
しかし、あらためて面と向かっても、そういう空気になったりはしない。
いいことを聞いた。
息子に話したくとも息子に直接口をきく必要はない、という話だ。
たとえば、カミさんも交えた週末の食卓。
僕は、息子ではなく、カミさんに語る。
今週の仕事でもいい、最近おこった何がしかの新聞ネタでもいい。
いきなりカタイ話にすることはないが、僕の考え方が出るような
話し方をカミさんにする。当然カミさんもそれに応える。
「それについてお前はどう考える?」なんて聞く必要もないのだ。
ただ、父の話を母がうけとめる、という会話の流れを
ずっと聞かせている。
すると、自分に関心がある話題なら自分から、勝手に話に入ってくるのだ。
直接息子としゃべる空気がないから、何も語らない、というのはやはりマズイそうだ。
父は語らなくてはいけない。
まだ高2の息子には父の声を残すことが必要だと思う。
いいスキルをもらった、と思った。
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