リレーコラムについて

これからママになりたいコピーライターのあなたへ。

岡山真子

若い女性のコピーライターから「将来子どもは欲しいけど、仕事を続けながらだと難しいのかな」という話を聞くことがあります。リレーコラムももう最終日。少しは人の役にたつことをということで、私の経験を書くことにしました。いつかママになりたいというコピーライターの方、コピーライター志望の方、ちょっと長くなりますが、読んでみてくださいね。

私は2年ほど前に出産してから、フリーランスでコピーを書いています。それまで10年お世話になった事務所を卒業したのは、「家でもできる仕事なのに、わざわざ子どもを預けて会社に通うことないんじゃないか」とお師匠さんが言ってくれたからでした。

実際1歳前くらいまでは、家で子どもをヒザに抱いておっぱいをあげながらコピーを書きました。打ち合わせに出かけられるようになるまでは仕事なんてないだろうと思っていたのですが、いつでも家にいるというのも、かえって重宝がられるものです。メールと電話でなんとかなるような仕事がけっこうもらえて、私の場合、出産前は予定日の1週間前まで、産後は1ヶ月くらいから仕事していました。
でもさすがに子どもが伝い歩きするようになると、パソコンは勝手にいじるし、ちょっとでも母親の姿が見えないと大騒ぎするしで、子どもが起きてる時間の作業が難しくなります。いつまでも打ち合わせに出かけない仕事ばかりというわけにもいかず、9ヶ月くらいで、やっと真剣に保育園を探しだしたのです。

しかし公立の保育園というのは通常4月入園。(申し込みはたいてい前年末。)年度の途中からでは99%入れません。
(人によっては1年間の産休明けが4月にあたるよう、計画妊娠する人もいるそうですが)
しかもうちの近所の保育園は今どき夕方18時までという保育園で(都内の半分くらいがまだそうなんです!)、公務員相手ならともかく、打ち合わせの時間が遅くなる場合を考えれば、そりゃ無理だという感じです。都内で延長保育が今いちばん充実してると言われるのは品川区(夜10時まで!)や府中市ですが、夜の遅いママさんがどんどん引っ越して来てるらしく待機児童もけっこういるとのこと。フリーランスは審査に通りにくいと聞いています。
(もし家を購入する場合、地域の保育事情を調べてからがいいと思います。妊娠中に目当ての保育園の近くに引っ越す人もいるとか。)

送り迎えしてくれる両親が近くにおらず、ダンナもだいたい終電で帰ってくるという我が家は、結局、夜遅くまでやってる民間の認可保育所を探して、その近くに引っ越すことにしました。(ベビーシッターを頼む人もいるようですが、当たり外れが大きそうだし、他人に家の中に入られるのは私はちょっと抵抗あります。)
認可保育園というのは東京都の認可を受けてる保育園で、最近かなり増えています。
審査基準もけっこう厳しいようで、いわゆる無認可を見学した後だと、認可はかなりキチンとして見えます。保育士さんの数も多いし、検温とか保育日誌の記入とか防災訓練もちゃんとやってるとのこと。無認可の場合、繁華街のマンションの一室ということが多く、あの保育士さんの数では、もしビルが火災などにあったら大変なことになると感じました。なかには「24時間、絶対お断りしません」という無認可保育所もありましたが、できれば二度と預けたくないと思います。(でも、実際そこは子どもがいっぱいいっぱいで、水商売や深夜までの仕事の女性は、ああいう保育園以外、頼るところがないんだと実感しました。昔、あるシングルマザーの新聞記者の女性に「保育園なんて子どもが生きてかえってくればそれでいい。他の条件はあきらめる」と言われたことを思いだします。)

そして子どもというのは(男の子は特に!)、ほんとによく熱を出したり、体調をくずしたりするものです。地域によっては、どうしても休めない仕事があるママのための病児保育室が設置されてるので、事前に調べたり、登録しておいたほうがいいでしょう。

また私も今はいい保育園が見つかってひと安心ですが、小学校にあがったら放課後はどうするの?とかまた考えてしまいます。学童保育所は保育園よりさらにお寒い現状だそうです。それに子どもも物心がついたら、お母さんのいない時間をますます寂しがるかもしれません。

すみません、ほんとに話が長くなってしまいました。
もしかして、さらに産むのが心配になっちゃいました?
でも大丈夫。私の知り合ったコピーライターのなかにも、ママさんはたくさんいますが、みなさん元気にたくましく仕事を続けてらっしゃいます。結局なんだかんだいっていちばんのポイントは夫も一緒に子育てしてくれるように教育することかもです。(なかには夫に会社をやめてもらったなんてツワモノもいらっしゃいました。逆に女性が自立してるので別れてしまった例もありますが)

ときどき大変ではありますが、私は子どもを産んでホントによかったなと思っています。
そして甘いかもしれませんが、日々の晩ご飯の献立も考えながら、コピーを考える、そんなコピーライターになりたいと思います。
ずーっとコピーを書き続けるために、私もあきらめないで頑張ります。

あなたも頑張ってください。

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