下妻物語(1)
まだ見てない人に言う。
その2時間は、抱きしめたくなるほど愛おしく、
かけがえのない宝物のようにキラキラした2時間になる。
ロリータとヤンキーっていう広告的キャッチーさに溢れた、ちょっとセンスのいいだけのアイドル映画だと思ってバカになんかしてたら、大変な目に遭う。大ヤケドするぜ!ってのは嘘で、大丈夫。そんな風に冷静に見ようとしても土台無理。この映画は、見た人を全員、とんでもないところに連れてってくれる。
それは、どこか。
正直に言う。
それは、「幸福」だと思う。
その幸福とは、何か。
これも、誤解を承知で真顔で言うが、それは、
「人間愛」だ。
え?そんなに深い映画だったっけ?とか突っ込み入れてる輩には、
「はい!これが今日からあなたの友達よ」と、下妻キャベツを差し上げたい。いや、勿論、そんなこと考えさせる映画でもなんでもないし、そんな感想持たなくたっていいんだ。
バカみたくゲラゲラ笑った後から、いったん弛んだ涙腺はもう栓開きっぱなしの大洪水!頼むからバスタオル持って来てくれ!って思ってる間に気付けばハラハラドキドキ、でまた笑って泣いて、、、でもって2時間終わってまた笑顔!!
「あー、楽しかった!」
ってな超痛快な映画なのだ。
だけど、あの平日のまっ昼間、満員の劇場で、
女子高生からその母親、業界のおっさんからなんも考えてない平和なカップル、スレまくった映像系の学生から、ときにはおじいちゃんおばあちゃんまで(!)含めて、ぜーんぶまとめて満面の笑みで、
「あー、楽しかった!」
にさせることが、どれだけ難しいことか。
そして、それがなぜ、あのフィルムにだけはできてしまったのか。
それは、中島哲也という監督の、
あまりにも深く大きな「人間」への思いやりと愛情があるからだ、
としか僕には答えようがない。(つづく)
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