嘉事
今までも、大人になったなぁ、と思う瞬間が色々ありました。
苦いだけだったビールを美味しいと感じたときとか、
サビ抜きの握りじゃ物足りなくなったときとか、
母親の身長を超えたときとか、
いつ思い出しても泣けてくると思っていた失恋で、
もう泣けなくなっていることに気付いたときとか。
でも、そろそろそんなかわいらしい発見では済まされなくなってきました。
がつんと大人を自覚させられるイベント「友達の結婚式」が、このところ目白押しです。
仲のよい友達の式に出ると、必ず泣いてしまいますが、
私の泣きっぷりといったら、ちょっと感動した、という程度のものではありません。
本当にもう号泣で、化粧が落ちて顔はドロドロになるし、
ドレスの胸の辺りに涙の染みができたりして、
せっかく盛装しているのに、たいてい台無しになります。
新しい家族を作る幸せな儀式であり、
今までの家族との思い出の、切ない総集編でもあり、
色々な感情が凝縮されたその数時間は、
友達の人生に体ごと突っ込んでいっているようなもの。
人生の事件をリアルに目撃するから、感極まってしまうのです。
結婚式に出席すると、いつもとっても疲れますが、
それはたくさん心を動かした証拠、
体を動かしてリフレッシュするのと同じ心地よい疲れです。
そんなわけで最近、適齢期を再認識していますが、
同時に、まだまだ幼稚な自分も感じます。
号泣の理由にはきっと、大人になることへの感傷も
多分に含まれている気がするので。
明日、親友がまた一人籍を入れます。