息子へ
ここに至るまで、たくさんの過去のリレーコラムを読んだ。
詩風、エッセイ風、呟き風…。
いくつもの風が吹き抜け、また吹き返す。
いったい文才というものがあるなら、
それは何をもとに測られているのだろう。
これまで読んできた幾千もの文章を、
それを口に出す、出さないに関わらず、
批評したことを悔いた。
だが、もう遅い。
それは読まれることでしか測り得ないのなら、
書き進むことしか、私に残された道はない。
一歩ずつ、前進してみる。
コピーを書いている合間に書いたつもりが、
いつのまにかその合間は反転し、夜が更けた。
幾片かの文章の欠片たちが、そこに生まれていた。
それらを組み立ててみる。
それに修正を加える。
何度も読み直す。
また修正する。
こうして世に出た、出てしまった4篇の、
そして今日のこの5篇目の文は、
これでも選ばれし精鋭たちだ。
私にとっては、大袈裟に言えばデビュー作であり、
新人賞をもらったコピーのように、
大切なわが子である。
わが子はこれから、それを産み落とした親たる私への、
一つの指標としてここに存在しつづけるであろう。
いつか楽しく振り返ることができる日が来る。
そう思いながら、毎日わが子を送り出した。
張りつめた、熱く、暑い日々であった。
5日間、私が勝手に話していた、私のとても個人的な話。
そんなものに付き合ってくださった皆様、どうもありがとうございました。
来週も、’03年新人賞の同期が続きます。私からの依頼メールを開けてしまったことに後悔しつつも、気持ちよく引き受けてくださった、電通関西の藤本“アニキ”泰明さんです。よろしくお願い致します。
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