コピーライター
納健太郎
今日は念願のコピーライターになったばかり
“23歳のときの僕”が、
時空を越えて“現在の40歳の僕”を訪ねてきました。
23歳の僕「エラいおでこの部分、ヤバくなってますねえ」
40歳の僕「やかましいわ。お前の勉強が足りんから、
あとあと苦労してきたんや」
23歳の僕「コピーライターってそんな大変なんですか?」
40歳の僕「大変も何もあるかいな。
ええか、これからお前はいろんな人に怒られ続けんねん。
会社の人にも、クライアントにも、何や知らんおっさんにも。
こんなコピーあかんわ、素人でも書けるわ、とか言われんねん」
23歳の僕「ほんまですか」
40歳の僕「そうや、ほんでもう俺はコピー書かれへんとか、
コピー何本出しても通らへんとか、
もう何書いてええかわからんわい!とか、
1000回くらい辞めたなんねん」
23歳の僕「……でも、コピーライターってモテモテなんでしょ。横文字やし」
40歳の僕「なにゆうてんねん。横文字職業がモテたんは85年までや。
それからはずーっとアカン。とくにオレはあかん」
23歳の僕「なんかもう辞めたなってきた」
40歳の僕「あほか。お前が辞めたら、今の俺が消えてまうやないか」
23歳の僕「…なんでコピーライター続けてるんですか?」
40歳の僕「そら『しんどいなあ』って思う瞬間より
『ええコピーできた!』ってうれしい瞬間の方が勝ってるからちゃうか。
続けとったらエエこともあんねんて。
23の頃には想像もせんかったエエこともあんねんで」
23歳の僕「エエことって、めちゃくちゃモテるとか?」
40歳の僕「お前にはそれしかないんか。10年続けたら教えたるわ」
というわけで、僕にとってのエエことは
やっぱり賞をもらったり年鑑に載せてもらったりすることです。
年鑑に載るのは「紅白歌合戦」に出るようなもんだと、
勝手に思って自分を励ましています。
価値感が微妙に古いかも知れませんが。
ま、それに限らず「あ〜コピーライターになってよかった」と思える瞬間が
年に何回かあるわけで、辞めなかった過去の自分を誉めてあげたい。
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