ミステリーは身近に。
追い詰められる、という状況が続いています。サスペンスです。
というわけで、夏の夜は「ミステリー」。特に海外ミステリー。
なぜか日本のミステリー小説には食指が動きません。
歴史的なことか、社会的背景か、
現実味がないことが多いことも関係しているのかもしれません。
もちろん話そのものはすべて虚構なのですが、
たとえば日本では私立探偵なんて仕事は成立しにくいし、
日常的に「銃」を所持することもありません。(たまに持っている方もいるようですが)
日本の社会そのものが、ミステリーの舞台にむいていないのかもしれません。
ひと口にミステリーと言ってもさまざまなジャンルがあります。
サスペンス、ハードボイルド(探偵小説含む)、推理小説、スリラーなど、
それそれの定義はなかなかむずかしいのですが、ざっとこんなもんでしょう。
作家でいうとウイリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ 1903〜1968)、氏のファンです。
追い詰められた人間の孤独と寂寥、死の戦慄、被害者の恐怖と焦燥を書かせたら
並ぶ者はいないと言われたほどのサスペンススリラーの名手です。
なかでも「幻の女」は、絶品です。
「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」
この書き出しの一節は有名です。ご存知の方も多いと思います。
初めて読んだときに鳥肌が立ったのを覚えています。
他にも「黒衣の花嫁」をはじめとするブラックシリーズもなかなかのものです。
「サスペンス」で思い出しましたが、
ヒッチコック先生がこんなことを言われていたそうです。
サスペンスとスリルとショックのちがい。
「乗るべき汽車の時刻に間に合うかどうかと必死に駅に駆けつける。
これ、サスペンス。
ホームに駆け上がり、発車まぎわの列車のステップにしがみつく。
これぞスリル。
ああよかったとひと安心して座席に落ちつき、ふと考え直してみると、
ちがう列車だった、乗るはず筈のではなかった、
と悟るその一瞬がショック」
このロジックでいくと、毎日サスペンスとスリルとショックを体験していることになります。
クライアントの注文に頭を抱え、時間と闘いながらコピーを書く。これ、サスペンス。
訂正・修正を繰り返しタイムリミットぎりぎりに入稿する。これ、スリル。
間に合ったと安心して一服する。しばらくしてふと版下を見て誤植とかに気づく。
その一瞬がショック。
できればあまり体験したくありません。
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