名古屋からの手紙 5
岩橋孝治
こう見えてカタチから入るほうである。せっかく名古屋に来たのだから何か、今までしたことのないことをしようと考えた。住まいは新栄。会社から地下鉄で一駅の距離。ここを、自転車で通おうと思った。
大きな声で言えないが、大阪時代はボルボで通勤していた。ボルボからシマノへ。エコな選択でもある。
会社は栄の一番の盛り場にある。松坂屋の前を走り、電通、中日ビル、区役所、東急ホテル、CBCの前を走りぬける。別の日はコースを変えて、大須の服屋、靴屋、電器屋をひやかして、パルコを見ながら裏通りに入り、エステ、サロン、クラブのネオンの中を6段変速のギアチェンジの音を響かせながら突っ切る夜のクルーズ。顔なじみのキャバクラの呼び込みの黒服に軽く手を上げて、急行電車のように通過する。
誰も見ていないけど、自転車は「ロードスター」なんだ
そして、名古屋は「自転車サイズの街」なんだね。
というコピーライター的予定調和でもって、このリレーコラムをおわりにしようかな。
来週はMAQの山阪佳彦さん、
大阪時代の仲間で今は青山でお勤めです。
いいなあ、青山 !
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