名古屋の恋 3
30分がすぎ、黄巾の乱が鎮まっても、その鈴の音はやみませんでした。
それどころか、鈴のリズムは8ビートから16ビートへと、テンポアップしていきます。
僕は、雑念をふりはらうかのように、「三国志」を読み進めました。
チリ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン、チリ〜〜〜〜ン チリ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン、チリ〜〜〜〜ン
チリ〜〜〜〜〜〜ン、チリ〜〜ン チリ〜〜〜〜〜〜ン、チリ〜〜ン
チリ〜〜〜〜〜ン、チリ〜ン チリ〜〜〜〜〜ン、チリ〜ン
董卓の時代が過ぎ、呂布が殺されても、まだ、鈴の音は止まりません。
チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリ
チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリ
チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜〜ン、チリ
官渡の戦いの後、袁紹が憤死しました。鈴の音は一向におさまりません。
チリ〜〜ン、チリン チリ〜〜ン、チリン チ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜ン、チリン
チリ〜〜ン、チリン チリ〜〜ン、チリン チ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜ン、チリン
チリ〜〜ン、チリン チリ〜〜ン、チリン チ〜〜〜ン、チリン チリ〜〜ン、チリン
「長い…。いつもの僕よりもずっと…」
溢れ出るジェラシーにムネがはりさけそうになりながら、僕は三国志を読みすすめました。
チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン
チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン
チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン
チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン チリ〜ンチリン…
(つづく)