くだらない
はじめまして、津田大介と申します。新入社員の頃からお世話になっている(そして、白髪が生えるまでお世話されたい)川野大先輩から引き継げて光栄です。
が、高尚な、ココロをズキュンと打ち抜くようなコラムなど書けるわけもないので、ごくごく身の丈のよもやま話な一週間になること、お許しいただければと思います。
今日、ある手術から退院したCDから聞いた話です。
看護婦さんはこう言いました。「生死をかけてがんばっている患者さんが、もしお亡くなりになる時、最後に見る顔は、私かもしれない。だから、私はがんばらなきゃいけないんです。」と。
「そうか、大変な仕事だなぁ、偉いなぁ、看護婦さんは。それに比べて俺たちクリエーティブの仕事は、なんて煩悩的でくだらないんだろう。」と思ったCDに、仕事の電話が。
「あのぉ、クライアントがですねぇ、タレントの持つバッグが、赤より青が良いから変えて欲しいって言うんですよぉ。どうしましょう?」
「そんなん、どっちでもいいジャンっ!」せっかく治った傷が開かんばかりに叫びたくなったそうです。そりゃそうですよね。くだらない。でもよくある話です。
この手のくだらなさは遠慮したいところですが、僕たちクリエーティブの仕事って、くだらないことが大事だったりすることもあって。
「この企画、くだらなさが足りないかもね。」(ディレクションですね)
「この企画、くだらね〜(笑)!」(褒め言葉ですね)
なんて、言われるし。マジメすぎると、しまいには、
「ちょっとこの企画、説明的なんだよね」(え?説明するんじゃないの??)
「なんか、広告ぽいんだよなぁ、これ」(ええ?広告じゃないの、これ??)
なんて言われかねません。
くだらないことをマジメにやる。とりくむ。それが、ストイックな看護婦さんにも誇れる、クリエーティブのあり方なのかしら、なんてふと思いました。
夜勤で疲れた看護婦さんが、家に帰ってテレビ見て、ラジオ聞いて、「くだらな〜い」って笑ってくれたら素敵ですしね。
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