四限目:家庭科
ああ、あったかいのが飲みたいな。
コーヒーよりもカフェオレよりも濃厚なココアをオーダーしたい気分です。
こんにちは。
アサツー ディ・ケイの神戸 充代(かんべ みちよ)です。
本日は家庭科なり。心まであたたまる食べものをテーマにしてみたいと思います。
結婚してはじめての正月をむかえたとき
東京育ちの夫は
「関西のお雑煮が食べたい」
と言いました。
それを聞いてこの人とならうまくやっていけそうだと安心しました。
うちの母が正月の食卓で語る話のひとつ。
結婚してしばらくのあいだは
新年をむかえるたびに関東風と関西風2種類のお雑煮をつくっていたそうです。
父は兵庫、母は静岡の生まれで
好きな味も
お雑煮のつくり方もお互いまったくちがっていたんですね。
母のお雑煮は醤油ベースのすまし仕立て。
だいこん、にんじん、さといも、しいたけ、とり肉、と具だくさんのお雑煮で
角餅を焼いて入れます。
仕あげにかつお節をパッとかけてできあがり。
父のお雑煮は白味噌仕立て。
だいこん、にんじん、さといも、と紅白のシンプルなお雑煮で
丸餅を焼かずに入れます。
わたしが子どものころにはすでに白味噌仕立てオンリーの年明けだったので
父の味つけを
母がいつのまにか自分のものにしたんでしょうね。
心あたたまる話だなあ
と思っていたら
意外なところで策略があることに気づいてしまいました。
そういえば母さん
昆布をつかわずかつお節だけでだしをとっている。これって関東風!!!
「お雑煮は白味噌がいちばんや」
と自慢げに話す父のそばでニコニコと微笑んでいる
母の強さをあらためて知りました。
ときどき父はお雑煮にあんこ入りの丸餅を入れて食べます。
ネットで調べてみるとなんと香川県におなじお雑煮があるのがわかりました。
父の先祖は四国の出身。
遺伝子に刻まれた舌の記憶が長い年月を超えて
よみがえっているのかもしれませんね。
それでは、また明日。あたたかい一日を。
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