リレーコラムについて

孤独(または、焼そば)

原田朋

もし自分がアインシュタインだったら。自分にわかることの半分も人が理解してくれなかったら。そしてその事実を知ってしまったら。僕はきっと恋人とすごす。自分を尊敬してくれる美しい彼女と。ひとりでいることの豊かさ。というコピーを先輩は原稿用紙に書いたけれど、そう書けるほど僕は強くない。考えてみれば、think different.もimpossible is nothing.も孤独を称える、そして孤独を湛えているコピーだ。誰もいない場所に独りで立つ人、誰もいない場所へ独りで行く人をイメージさせる。孤独なヒーローは多くの人を魅了する。だれにも理解されない独りは、全員につながっている。人類を見わたせる神か、幸福な人生をすごせる人間か。どちらも選べるとしたら?無意味な二元論だと思う。ツタヤで目にした「人生は、海だ。」というライフ・アクアティックのコピーが好きになった。今日最後に食べた「焼そば」が「しお味」だったから。

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