リレーコラムについて

たまに会うならこんな人

田畑尚門

今日は僕がクリエーティブの世界に入って知り合った人たちの話をします。
最初にことわっておきますが、タメになる話はひとつもありません。

某社でコピーライターをしていたA君と僕の、20年ほど前の会話。
僕「質問です。死んでいる美人と生きているブスなら
  どっちを選びますか」
A君「キミは?」
僕「それはやっぱり、ブスでも生きてる方がいいな」
A君「そうですか。僕は、生きている美人より死んでいる美人の
  方が好きですね」
そう、A君は少し不気味な人でした。
そんなA君が恋をしました。
相手は髪の長い清楚な感じのB子ちゃん。
以下はA君とC先輩の、やはり20年ほど前の会話。
C先輩「おい、A。お前はB子ちゃんのどこが好きなの?」
A君「顔です。あの顔が好きなんです。僕は彼女だったら生首でもかまわない。
生首でも愛することができます」
C先輩は翌日すぐにB子ちゃんにチクリに行きました。
クリエーターですから、ちょっと話を脚色して。
「あのさー、B子ちゃん。Aがさー、君の生首が欲しいんだって」
B子ちゃんの恐怖の涙はしばらく止まることがありませんでした。

ある会社でアートディレクターをされていたDさん。15年ほど前の話。
夜の10時ごろ、僕とふたりである企画のテーマ探しをしていました。
 僕「そうですねー、今回の企画のテーマは“火花”ですかね。
   熱い感じの企画にしたいんですよ」
 Dさん「なるほど、いいね。“火花”ね。わかる、わかる」
とか言いながらDさんは僕の言った言葉をメモしていきます。
 僕「“スパーク”なんかどうです?その方がちょっといいかな」
 Dさん「スパーク!最高!他には?」
 僕「うーん。単純だけど“炎”なんてどうですか?」
メモをしているDさんの手がパタッと止まります。
そして、つぶらな瞳で僕を見つめながら言いました。
 Dさん「ねー、田畑。“ほのお”って、どんな字だっけ?」
驚愕する僕。どうしてそんな漢字が書けないの?
 僕「し、しっかりしてくださいよ。“火”がふたつですよ」
 Dさん「あー、そうだよな、そうだよな」
僕は悪い予感がしてEさんのメモを覗き込みました。
 僕「ち、違いますよ!“火”をタテにふたつ書くんですよ。タテ!」
そうです。Dさんのメモ用紙には“火”が横に並んでいたのでした。
 Dさん「あー。なんか変な感じがしたんだよねー」

最後に僕より後輩のCMプランナー、E君の話です。
E君はお酒が大好きです。
ある日夜中の3時頃に酩酊して帰宅したE君はお風呂に入り、そのまま
バスタブで眠ってしまったそうです。
そして数時間後。E君は奥さんの悲鳴で目を覚ましました。
 E君の奥さん「イヤー、もうイヤ!あなたなんか大っきらい!離婚よー!」
 E君「何を騒いでんだよ、うっせーなー。‥‥‥‥あーっ!ごめんなさい!
ゆ、許してください。許してください」
バスタブにはE君と、E君の分身である茶色い固形物が3個、プカプカ
浮かんでいたそうです。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
貴重なお時間を無駄に使わせてしまって
ほんとに申し訳ありませんでした。
上記のエピソードを持つ4名の方々は、思いっきり実在する方々です。
そして今でも、この広告業界でご活躍されています。

さて僕の次は電通の最終兵器、村木智一の登場です。
格闘技好きのガサツな暴れん坊です。
さあ、いったい何を書くのか。僕も楽しみです。

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