ボンゴレビアンコのオイルが飛んでシミをつけた男の歌
永友さんのピンチヒッター4人目、中村禎です。
よろしくお願いします。
先日、ちょっと遅いランチにパスタ屋さんに行った。カウンターだけのその店にはお客さんがパラ、パラと。僕の左のほうにはもう食べ終わった女性二人がお茶を飲んでいる。僕の右のほうには、カジュアルな服装の女性が文庫本を読みながらパスタを待っている。プロダクションの制作の女性かなってかんじ。僕も注文をすませ、汗をふきながらケータイを見たりなんやかんや。
やがて右隣の女性にパスタが届く。僕は何気なく汗を拭くと隣のパスタが視野に入る。(正確に言うと、カウンターがゆるやかにカーブしているので、顔をほんの少し右に向けるだけで視野に入る位置)あ、トマトベースにしたのね。と、視野に入る。
すると彼女は、ほんの一瞬。ほんとにほんの一瞬。映画で言うとそのシーンだけハイスピードになったようなカンジで、胸の前で小さく手を合わせた。顔も少〜し傾げて「いただきます」をしたのだ。まだ若い、一人暮らしかもしれないような女性が、ひとりでランチを食べるときに、手を合わせて「いただきます」をしてから食事をしている。なんてかわいらしいんだろう、と感動した。
ここで、僕の席にも注文したパスタが届いた。僕はボンゴレビアンコだ。ここで、僕も手を合わせて「いただきます」をしたら、ふたりは恋に落ちるのかもしれない、と思った。しかし、僕は既婚者だし、そんなにタイプでもなかったので、黙って食べた。
♪あ〜ボンゴレビアンコのオイルが飛んでシミをつけた男の歌ぁ〜♪
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さて、リレーコラムのバトンは、
今年新人賞を受賞された 北 道高さん に渡ります。
北さん、どうぞよろしくお願いします!
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