リレーコラムについて

ウリフターズ

松本巌

2005年5月。ボクは入社15年目にして、電通の東京本社CRに転籍した。それから4ヶ月、大阪から流れてきた見知らぬ輩に仕事をふるCDもいず、「東京って、冷たいでぇ〜」とか言いながら、関西支社の仕事を相変わらずヘラヘラやって、後は映画を観るか飲んでいた。そこへ、初めて声を掛けてくれたのが、関裕敏(SCD)さんだった。初めてなのに、大きな仕事。麒麟麦酒の「淡麗グリーンラベル」という商品で、「メンバーは君に任せる。電通1チーム1案プレでいい。」と言われた。「考えんのんほんまに1案でええの?東京って、かっこええ〜わ〜」と、密かに萌えた、いえ燃えたのでした。

とはいえ、ここは東京。クールに、ビジネスライクに、仕事はこなさなあかん。
南青山のコンクリート打ちっぱなしのおサルな会議室。新しい優秀なスタッフも加わり、まずはコピーを考え始めた。最初、何か合言葉的なカンパイ・ワードを考えたいと思ったがうまくいかず、得意のオリジナルソングはどうかと言われ、歌詞を考え始めた。じゃぁ、ベタに韻でも踏んでみたろ。そうか、グリーンだ。グリーンダ、グリィインダ、グリイインダ、グリ、イインダ!おぉ、「グリーンダ」の中に、「ィィンダ(良いんだ)」が含まれてる!でも「イインダ!グリーンダ!」では断定調で強すぎるし、語呂も悪い。一文字加えて、語尾を和らげよう。・・・もっとクールな東京コピーにするはずが・・・あれ?
「このコピー、なんか感じるけど」と関さんは言った。

「イインダヨ!グリーンダヨ!」

カンパイ・ワードにできる予感がちょっとした。理屈をこねると今のユーザーを肯定しつつ新規トライヤルも兼ねた、超販促&ポジティブコピーとも言える。
(世の中に「Donユt mind」的温かいメッセージが届くと尚、イインダヨだし。)
そしてコピーをしばらく眺めていたら、「ダヨ」って「何ダヨ?」と思い始めた。この本来余計な語尾は一体なに?なんだっけ、この語感?そうだ!「8時ダヨ!全員集合」だ。そして顔を上げたら目の前に関さんがいた。(関さんはちょっとだけ志村けんに似ている・・)この偶然は一体なに?

そうしてドリフターズ似の外国人5人組「ウリフターズ」という企画が産まれた。またスバラシイ人に出会って、また助けられた。関さん、ありがとう!(って関さんすぐ横の席やけど)

NO
年月日
名前
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