人知れず
松本君というかガンちゃん、“戦友”からのバトン、確かに受け取りました。
うん、間違いなく腐れ縁だよね、僕たち。
などという、極私的なやりとりをこういうパブリックな場所で行うと、
僕の一年一度のお楽しみ、某誌付録のディレクターズファイル内で行われてる、
谷一郎さんと谷田一郎さんの、知る人ぞ知るやりとりを思い出す。
僕は、コピーライターとかプランナーとか、最近ではコミュニケーションデザイナー
なんてこともやっている割には、こういう“人知れず”型のコミュニケーションが
大好きだったりする。
最近、高校からの友人で外務省に勤務しているS君が、高校のOB会報に寄稿
していた文章には正直驚いた。洋行帰りということを意識していたのかどうか、
そのやや古い感じの文体はとても素敵で、日本語の美しさを再認識した程だった
のであるが、その彼の文章もまた“人知れず”埋没している。
すごく的確な表現の「ト書き」を書いてくれる制作の若い子がいたりする。
僕よりも「時代小説」に詳しいグラビアアイドルの子がいたりする。
僕は、そんな“人知れず”才能豊かな人たちに会うたびに心の中で、
僕も、何か“人知れず”何かを発揮していて、それがどこかで、こんな風に
誰かに褒められてたら嬉しいのになぁ、って本気で思ったりする。
例えばそう、
僕の、ランナーを二塁に釘付けにするファインなショートの動き、
誰か褒めていてくれないかなぁ。