接待野球
今朝、宗教の人が、すごく眠たそうな顔で
「目覚めよ」というボードを持って立ってるのを見かけました。川上です。
コピーライターになる前はぜんぜん違う業界で営業をしておりまして。
接待もガンガンやってました。
キツかったのは、男どうし二人っきりでカラオケボックス2時間接待。
1曲だけ歌ったんですが、なんでお前が歌うんだよという空気が痛くて
あとはずーっと盛りあげておりました。
「おまえはウンコや」と新地のバーで説教され続けた夜もあります。
言われるだけ言われて、支払いこっち持ち。
なんかあらためて冷静に文章にすると現実以上に悲惨です。
当時はそれほど悲壮感なかったんですが。
SM風俗接待をした同期の話が一番おもしろかったんですが、
ここでは書けないのでお酒を奢ってくれる人にだけお話ししますね。
さて野球です。得意先と試合をすることになったんです。
相手はユニフォームもばっちり揃えて強そうですが
こっちは若手社員の寄せ集め。Tシャツ、ジャージ、よれよれです。
もちろん勝つ必要はぜんぜんなし。
でも、それがよかったのか、適度に力が抜けて結構打つんです。
コピーも「賞とったるねん」とかの欲をださず
力を抜いて書いた方がうまくいったりしますよね。
そしてゲーム後半、そんな寄せ集めのチームが勝っている状態でして。
そうなると相手もリキむは、焦るわで、悪循環です。
さらに焦ってる人がうちにもひとり。この得意先の営業担当者です。
まさかこの展開を予想してなかったんでしょう
試合前「ま、普通に楽しんでくれ」と言ってた彼が「あんまり打つな」と。
しかし三振してこいと送り出されたバッターが、デッドボールで出塁したり。
そのランナーがエラーがらみの進塁で、ついには生還したり。
悪循環の末、最終回には6点差でリード。
お得意先に勝ってはいけないなんて安物のドラマみたいですが
ぼろぼろチームでこの大差はヤバいんではないかと。
ここで僕らは円陣を組みます。
勝ってるチームが深刻な顔で円陣です。
ピッチャーを運動音痴の男に代えることにしました。
女投げっていうんですか?そういう投げ方をするんですよ。
もちろん炎上目当て。ありえないクローザーです。
が、こいつも期待されてない気楽さで結構そこそこ投げよるわけです。
ここでさらに焦った担当者が、そのピッチャーに発した指示が
おまえ靴を脱げ。
アベベか。
ハダシで女投げする男。
でもなぜか靴を脱いで投げる彼の投球は適度に打ちやすく、
得意先のリキみを解く効果もあって、ついにはサヨナラ試合ですよ。
あっぱれ靴脱げ采配。
しかしこんなことをされて嬉しいのかと思いきや、見事にみんな喜んでいて。
「劇的!」なんて盛りあがってる。
あほか。
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